生誕60年! 日産「ブルーバード」を覚えている? グローバル化の基礎にもなった名車
新時代の4WDモデルの登場とブルーバードの終焉
●8代目ブルーバード U12型(1987年発売)

1983年に駆動方式をFFとして発売された7代目ブルーバードは、高いシャシ性能を持ちながら、パワフルなエンジンを搭載したコロナにスペックで劣っていました。
そこで、1987年にモデルチェンジした8代目では、ブルーバード初となるビスカスカップリング付きセンターデフ方式を採用した4WDシステム「ATTESA」を採用し、「技術の日産」を強くアピールしました。
8代目のトップグレードである「1800ツインカムターボSSS ATTESA LIMITED」に搭載されたエンジンは、1.8リッター直列4気筒DOHCターボにインタークーラーを追加し、プレミアムガソリン仕様としたことで、最高出力175馬力までパワーアップ。
ATTESAに加え、4輪操舵システム「HICAS」と「STC-Sus」(スーパー・トー・コントロール・サスペンション)による高い旋回性能と安定性から高い人気となりました。
さらに、オーテックジャパンがラリー競技参加のベース車として開発した「SSS-R」は、専用のピストンやカムシャフト、ターボチャージャーなどによるパワーアップに加え、クロスミッションやロールケージなども純正装着されるなど、市販車とは思えないほど硬派な仕様でした。
1988年には、全日本ラリー選手権でドライバーズチャンピオンを獲得するなど、高性能なブルーバードの復権を果たします。
●10代目ブルーバード U14型(1996年発売)

1990年に日産は、欧州車を強く意識して開発された初代「プリメーラ」を発売。スタイルと居住性がよく、優れたハンドリング特性などが高く評価され、大ヒットしました。
一方で、1991年登場の9代目は、丸みを帯びたフォルムが日本では受け入れられず、販売的に苦戦します。
そこで、1996年に日本のユーザーが好む、オーソドックスな箱型の外観の10代目が発売されます。シャシは2代目プリメーラと共用する形になりました。
また、シリーズ初となるCVTの搭載や、最高出力190馬力のスポーティモデル「2.0 SSS-Z」を投入するなど進化を遂げます。
しかし、ブルーバードの販売復調にはつながりませんでした。
2000年に、シャシを9代目サニーと共用する「ブルーバードシルフィ」が登場。ブルーバードの名を冠していたものの、それまでのシリーズとは別物のクルマでした。
しばらく10代目は併売されていましたが、2001年には販売を終了し、40年以上続いた歴史に幕を閉じました。
※ ※ ※
時代のニーズを捉えてモデルチェンジを繰り返してきたブルーバードですが、ユーザーの変化もあり、生き残ることはできませんでした。
しかし、絶版となったいまもブルーバードには数多くのファンがいるほか、世代ごとにオーナーズクラブが存在するほど愛されています。
近年、街中を走るブルーバードは極端に少なくなってしましたが、旧車イベントなどでは元気な姿を見ることができます。
Writer: くるまのニュース編集部
【クルマをもっと身近にするWEB情報メディア】
知的好奇心を満たすクルマの気になる様々な情報を紹介。新車情報・試乗記・交通マナーやトラブル・道路事情まで魅力的なカーライフを発信していきます。クルマについて「知らなかったことを知る喜び」をくるまのニュースを通じて体験してください。





























