ワゴン車の人気が低迷!? 国産ステーションワゴンが激減している理由とは
かつて人気だったステーションワゴンですが、昨今では人気が低迷しています。その結果、国産ワゴンのラインナップが激減しています。なぜステーションワゴンは人気がなくなってしまったのでしょうか。
1990年代はステーションワゴンが大人気だった
かつては大人気だったものが、今ではパッとしない。そんな流行り廃りはクルマの世界にもあります。そのひとつがステーションワゴンでしょう。
セダンの後ろ側を荷室にした車型で、「ステーションワゴン」「ワゴン」「ツーリング」「アヴァント」「バリアント」などと呼ばれています。
1990年代から2000年代初頭にかけて、国内市場ではステーションワゴンが人気を集めました。トヨタ「カルディナ」、日産「ステージア」や「アベニール」、三菱「レグナム」といったステーションワゴン専用モデルが数多く販売されているだけでなく、セダンも併売するスバル「レガシィツーリングワゴン」、ホンダ「アコードワゴン」、トヨタ「クラウンエステート」なども人気を集めます。
なかでもとくに目立ったのが、レガシィツーリングワゴンです。280馬力のグレードを投入した1996年は、年間販売ランキングで10位にランクイン、1999年には8位にまで順位をアップさせます。
スバル車がトップ10にランクインするのは平成の30年間のうち、この2回だけ。レガシィはセダンも併売されていますが、売れたのは圧倒的にステーションワゴンです。つまり2回のランクインはレガシィツーリングワゴンが大いに貢献したというわけです。
ところがステーションワゴンのブームは2000年代後半に収束します。多くのモデルが後継車を用意せず、販売が終了。カルディナやステージア、アベニール、レグナムは消えてしまいました。
それから10年以上たったいまとなっては、どのメーカーもステーションワゴンのラインナップは激減。日産と三菱にはステーションワゴンのラインナップがなくなるなど、なんとも寂しい状況です。
なぜ、ステーションワゴンは人気がなくなってしまったのでしょうか。
ステーションワゴンは、基本的にセダンの発展形として生まれています。セダンでは独立していたトランクルームを、ステーションワゴンは室内空間とあわせることで、荷室を大幅に拡大しました。
ただし荷室を大きくしながらも、乗員の空間はセダンと同じ。また、車体の背の高さもセダンと同様なので、高速走行時の空気抵抗も劣化しておらず、走行性能もセダンと同等といえます。
つまり、セダンの居住性と走行性能をそのままに、荷物をたくさん積めるというのがステーションワゴンの特徴です。そうした理由で、レガシィツーリングワゴンのように、走りの良さを売りにするステーションワゴンが1990年代には人気を集めました。
ちなみに1990年代は、一方でミニバンも人気を集めた時代です。室内空間の広さであれば、ステーションワゴンよりもミニバンが勝ります。ただし、走りの良さは断然にステーションワゴンが上。そのため室内空間を求めるならミニバン、走りならステーションワゴンと住み分けができていたといえます。
日本は宅急便が便利だし、運ぶものが無いっしょ。
ドイツの普通人は、夏のバケーション2~3週間分の大量の生活物資を積んで、太陽を求め家族で南に向かう(レジャーというより生活しに)。小金持ちは、ヨットや馬などをトーイングで運んで、その備品をワゴンに載せて走る。そんな感じ。宅急便なんか勿体無っくて。
用途を考えると、欧州でも今後SUVに食われていく可能性はあるかも。