ミニバン嫌いでもこれなら乗りたい!? ヒンジ式ドアで背が高くない絶版ミニバン5選
近年売れ筋のミニバンは背の高い車種が中心となっていますが、かつては背の低いミニバンも人気を博していました。背があまり高くなく、スライドドアを持たないタイプのミニバン5車種をピックアップして紹介します。
ミニバンといえば背高ノッポ? 昔は背の低いミニバンも存在した
ひと昔前、ファミリーカーの定番はセダンでしたが、いまではミニバンやSUVへと変化してきました。背の高いミニバンは、広い室内と開口部の大きなスライドドアを備え、それまでの定番だったセダンよりも、はるかに使い勝手に優れています。
しかし、セダンやステーションワゴンから背の高いミニバンへ買い替えるとなると、やはり重心が高くなることで走行安定性や大きなボディの取り回しに不安を覚える人も少なくありませんでした。
そこで、2000年前後に登場し始めたのが、ステーションワゴンを進化させ、スライドドアを持たず、背もそれほど高くないタイプのミニバンです。
当時は各メーカーからさまざまなモデルがリリースされ、一時はファミリーカーの新たなスタンダードになりかけるほどの人気ぶりでした。
ところが、時代の流れとともに次々とその姿を消し、現在でも販売されているのはごくわずか。そこで、時代の変化のなかですっかりその姿を見ることがなくなった、スライドドアを持たないミニバン5選を紹介します。
●ホンダ「ストリーム」
ロールーフミニバンブームの火付け役となったホンダ「ストリーム」の特徴は、その低くスポーティなスタイリングもさることながら、走りの良さを連想させるVTECエンジンを搭載していたことです。
2リッターエンジンでは、環境に配慮しつつスポーティさも兼ね備えた「i-VTEC」エンジンを採用し、最高出力154馬力、最大トルク19kgmを発生します。
走りを連想させるVTECという響きも手伝って、「7人乗れるのに『走れる』ミニバン」として大ヒットとなり、2000-2001 日本カー・オブ・ザ・イヤーにも選出されています。
2000年に登場した初代に続いて2006年に登場した2代目では、全高が初代の1590mmよりも45mm低い、1545mm(共にFF仕様)になりました。
その姿は、本当に3列シートを備えたミニバンなのかと思えるほど低く、まさしく流麗なステーションワゴンのような出で立ちで、その端正なフロントマスクと相まって、男性を中心に人気を博していました。
しかし、2014年に生産が終了し、背の低い3列シートミニバンは「ジェイド」へ引き継がれることになります。
●トヨタ「ウィッシュ」
初代ウィッシュが誕生したのは2003年。パワートレインは、1.8リッター直列4気筒エンジン + 4速ATを基本とし、最上級のスポーツグレードである「Z」には、2リッター直列4気筒に6速「スポーツシーケンシャルシフトマチック」機能付きのCVTが採用されています(後期型では7速)。
2009年にデビューした2代目では、スロットルバルブではなく吸気バルブでエンジンの出力を制御する「バルブマチック」を採用。
初代のコンセプトはそのままに、ヘッドライトは初代の縦長タイプから横長のタイプに変更され、よりワイド&ローなスタイリングとなっています。
当時、ライバル車として知られていたホンダ「ストリーム」とともに、ウィッシュはロールーフミニバンを代表する人気モデルでした。
しかし、同社のノアやヴォクシーといった、より背の高いミニバンの人気が上昇してきたことを受け、2017年10月に生産を終了してしまいます。
●三菱「グランディス」
三菱の大名跡である、「シャリオ」のあとを引き継ぐ形でデビューした「グランディス」は、内外装の凝ったデザインが大きな特徴です。
グランディスが発売された2003年ごろは、まさにミニバンブームの創成期であり、2代目ホンダ「ステップワゴン」や、初代トヨタ「ノア」など、強力なライバルがしのぎを削っていた時代。ライバル車はこぞって多彩なシートアレンジや、広い室内空間をウリにしていました。
そんななか、グランディスの2列目・3列目のシートアレンジは、前後にスライドする2列目と、床下に収納される3列目のみと、いたってシンプル。エンジンも2.4リッター直列4気筒MIVECの1機種で、かなり割り切った仕様となっていました。
一方、曲線を多用した内外装のデザインは凝ったものになっており、ボディカラーも、当時としては珍しく10色のなかから選ぶことができたほどです。
唯一無二の存在として期待されてはいたものの、2004年の三菱ふそうリコール隠し問題などのあおりも受け販売は低迷し、2011年に生産中止となってしまいます。
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