ホンダ「CR-V」初代モデルvs最新モデル 「ライトクロカン」ジャンルを確立した新世代RV

満を持して復活した5代目「CR-V」は初モノづくし

●2018年発売の最新型「CR-V」

シリーズ初のハイブリッドや3列シートをラインナップした5代目「CR-V」
シリーズ初のハイブリッドや3列シートをラインナップした5代目「CR-V」

 前述のとおり、一旦日本市場から撤退したCR-Vでしたが、昨今のSUV人気もあり、2018年に新型CR-Vが日本市場で復活しました。

 一番のトピックスとしては、シリーズ初となるハイブリッドモデルがラインナップされたことです。

 ハイブリッドシステムは、駆動用モーターと発電用モーターを搭載する2モーター式の「SPORT HYBRID i-MMD」を採用。通常はモーター走行を主体としていて、走行シーンによってエンジンとモーターのパワーを使いわけるシステムですが、ホンダ初となるリアルタイム4WDに対応していました。

 エンジンは145馬力の2リッター直列4気筒で、走行用モーターは184馬力を発揮。3リッターエンジン並の出力でありながら、燃費は21.2km/L(WLTCモード、FF)と良好な数値です。

 一方、ガソリン車には1.5リッター直列4気筒ターボのダウンサイジングエンジンを搭載し、最高出力は190馬力となっています。

 外観のデザインはクロスオーバータイプSUVの定石で、空力性能も考慮したシャープな印象です。フロントグリルにはホンダ車で国内初のシャッターグリルを採用。エンジン水温など車両の状態に応じてシャッターを自動的に開閉することで、空気抵抗を低減して燃費向上を実現しています。

 ボディサイズは全長4605mm×全幅1855mm×全高1690mm(4WD)と、初代と比べるとふた周りほど大きくなっています。サイズ拡大はグローバルで販売するためであるのと、1クラス下に「ヴェゼル」があるので、車格の違いを明確にするためでしょう。

 また、ガソリン車には、これもシリーズ初となる7人乗りの3列シート車を設定。子育てがひと段落した世代の、ミニバンからの乗り換え需要に対応したといいます。

 衝突被害軽減ブレーキに代表される先進安全技術「Honda SENSING」を全グレードに標準装備し、価格はガソリン車が323万280円(消費税込、以下同様)から、ハイブリッド車が378万4320円からです。

※ ※ ※

 初代CR-VのヒットによりSUVの一時代を築いたホンダでしたが、代を重ねるたびに販売台数は低迷し、ついに日本市場から消えてしまいました。

 現行モデルも2019年上半期(1月から6月)の販売台数が9590台と、ライバルに対して差がつけられているのが現状です。

 新型CR-V発売時に発表されたコンセプトのひとつに「原点回帰」がありますが、ハイブリッド車で平均400万円という価格帯は、誰もが簡単に手が出る価格ではありません。

 闇雲に価格を下げてデフレ体質になるのは問題ですが、後発のトヨタ新型「RAV4」の価格が260万8200円からで、4月から6月の販売台数合計が1万7775台となっていることを考えると、なんらかの手を打つべきではないでしょうか。

 ライトクロカンの先駆けとして、本当の意味での復活に期待したいところです。

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Writer: くるまのニュース編集部

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