昔のクルマは愛称があった? ケンメリ、てんとう虫、ダルマ… 懐かしき名車とはどんなクルマ?
昔のクルマには、車名やモデル名ではなく、愛称で呼ばれていたクルマが多数存在しました。そのなかでも、とくに有名な愛称を持ったクルマを紹介します。
愛称で呼ばれたクルマとは
クルマは、販売される際に車種名(モデル名)というものが付けられます。たとえば、2018年で日本一売れたホンダの軽自動車は「N-BOX」という車種名です。
また、トヨタのミニバン「エスティマ」は、海外では「プレビア」や「タラゴ」といった名前で販売されるなど、国や地域によってモデル名が変わることもあるのです。
そんなクルマの名前ですが、ユーザーから親しみを持って愛称で呼ばれることもあります。今回は車種名とは別に愛称が有名なクルマを紹介します。
愛称で呼ばれることが多い国産車の代表に、日産「スカイライン」があり、有名なのは3代目モデル(C10型)です。愛称は「ハコスカ」で、初めてGT-Rがラインアップされた世代です。
このハコスカという愛称は、現役当時につけられたものではありません。次の4代目モデル(C110型)が出て、区別するために「箱型のスカイライン=ハコスカ」と呼ばれるようになりました。
また4代目モデルでは、当時放送されていたテレビCMの「ケンとメリーのスカイライン」シリーズに由来し、「ケンメリ」と呼ばれるようになります。なお、4ドアGTモデルは「ヨンメリ」とも呼ばれます。
5代目モデル(C210型)の愛称は「ジャパン」と呼ばれました。これは、「日本の風土が生んだ名車、SKYLINE JAPAN」という広告のキャッチコピーが由来となりました。
6代目モデル(R30型)では、米映画俳優のポール・ニューマンがCMキャラクターだったことから「ニューマン・スカイライン」と呼ばれましたが、スポーツグレード「RS」の後期型は「鉄仮面」という別の愛称が付いています。
愛称で呼ばれる最後のスカイラインとしては、7代目モデル(R31型)が「7th(セブンス)スカイライン」と呼ばれ親しまれましたが、その後のスカイラインは、「R32・R33・R34」といった型式名で呼ばれるようになりました。
ハコスカGT-Rが2ドアハードトップにスイッチした1970年、国産初のスペシャリティモデルとしてトヨタ「セリカ」が登場し、ヒット作となります。
デビュー後に「ダルマセリカ」という愛称で呼ばれますが、これは角のないボリュームのあるボディや、正面から見たときのバンパーがダルマのヒゲに見えることなどが要因となっているようです。
ダルマセリカが搭載する、ヤマハと協働開発した「2T-G型」1.6リッター直列4気筒DOHCエンジンは、その後のトヨタ製「テンロク」スポーツエンジンの中核となります。
そのセリカがデビューした翌年1971年に、トヨタの保守本流たる「クラウン」が大胆なモデルチェンジを受けて4代目に生まれ変わりました。
セリカにも似たボディ同色一体型バンパーの「スピンドルシェイプ」と呼ぶ斬新なスタイルは「クジラ」の愛称で呼ばれます。
デザイナーや自動車評論家には高く評価された先進的なデザインでしたが、クラウンの主たるユーザーである保守層には受け入れられず、「クラウン史上、唯一の失敗作」とされるモデルです。
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