誕生から22年トヨタ「プリウス」なぜ世界中で人気に? HV車の代名詞となった歴史とは

売れて、売れて、売れた、3代目プリウス

 2代目で高まったプリウス人気を一気に爆発させたといわれているのが、この3代目プリウスです。

 2009年4月に施行された「エコカー減税政策」の追い風もあり、発売開始から約1か月間の受注台数は月販目標の1万台の18倍にあたる約18万台を受注します。さらに、納車は最大で約10か月以上待ちという時期もありました。

 燃費性能も進化を続け、10・15モードで最高38.0km/Lを記録しています。

 3代目プリウスは、発売開始の2009年5月から4代目へとバトンタッチする2015年11月まで、約227万台を売り上げました。

 3代目プリウスの発表当時、チーフエンジニアの大塚明彦氏は、次のように話しています。

「3代目プリウスに課せられた大きな使命は、ハイブリッド車が次々と登場するなか、『ハイブリッド=トヨタ』という評価と実績を更に確固たるものにすること。(中略)これからのハイブリッド車の新たな指標となり、さらに多くの方々にお乗りいただける1台となることを願っています」

 この言葉どおり、「ハイブリッドといえばプリウス」という評価を獲得した1台になったといわれています。

不評の歌舞伎顔から大人しめ顔になり、人気が復活した4代目プリウス(マイナーチェンジ後)
不評の歌舞伎顔から大人しめ顔になり、人気が復活した4代目プリウス(マイナーチェンジ後)

 現行の4代目プリウスは2015年に登場します。従来の「トライアングルシルエット」は継承しつつ、それ以外のデザインは大きく変貌を遂げました。

 4代目プリウスチーフエンジニアの豊島浩二氏は、「4代目となる新型プリウスは、『TNGA』というクルマづくりの構造改革により、プラットフォームをはじめとするすべてを『ALL NEW PRIUS』として開発しました」とのコメントを発表しており、トヨタ自身も述べているように「攻めのモデルチェンジ」となっているのが特徴です。

 燃費性能は、より実燃費に近づけた新たな燃費基準であるJC08モード走行燃費で、最高40.8km/Lを記録しています。

 3代目がJC08モード走行燃費で最高32.6km/Lであったのと比べると、4代目もさらに燃費性能を伸ばして登場しました。

 なお、4代目プリウスは、登場時の2015年12月から2019年6月までで約85万台を販売しています。

 ほかのクルマと比較すると順調な売れ行きですが、「プリウスとして」は苦戦しているという意見もあります。

 日本自動車販売協会連合会の販売統計によると、登場後の2016年は年間24万8258台を売り上げていますが、2018年では11万5462台と失速しているのは明らかです。

 しかし、不調といえど2018年の新車販売台数ランキング(軽自動車を除く)では、3位に位置しており、さらに2018年のマイナーチェンジ直後、2019年1月から2019年6月のランキングでは7万277台を販売し再び1位に返り咲いています。

 プリウスとは、ラテン語で「~に先駆けて」という意味を持ちます。国内だけでなく世界中の自動車の「先駆け」として革命的なカーライフを提供してくれたプリウスですが、この先の未来もつねに「先駆け」という存在で、第一線を走り続けてほしいものです。

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