猛暑! 渋滞! 夏場のカーエアコンは25度に設定するのが良い理由
猛暑が続く真夏のドライブ、燃費が悪くなるからといってカーエアコンを使わなければ、熱中症になる恐れもあります。効率よくカーエアコンを使うにはどうすればいいのでしょうか。
国産車と欧州車で異なる「理想のエアコン温度設定」
連日猛暑が続く中、この時期のドライブに欠かせないのが「カーエアコン」です。カーエアコンは暖房と冷房の機能を持っていますが、冷房を使うと燃費が悪化することは、知っている人も多いと思います。
カーエアコンも家庭用エアコンも、冷媒(フロンガス)の圧縮と膨張、気化と液化、そして高温と低温を繰り返すことで空気を冷やします。家庭用エアコンは冷媒を圧縮するコンプレッサーを電気によって動かしますが、内燃機関の自動車の場合は、エンジンの回転を使って動かします(ハイブリッドや電気自動車のインバーターエアコンは、駆動用バッテリーの電力を使っています)。
そのため、本来は駆動に使われる力が損失を起こし、結果的に燃費が悪くなるという原理です。ちなみに、一般的な数値として、エアコンを使うと約3割も燃費が悪くなると言われています。とはいえ、摂氏30度を超える猛暑日に、燃費が悪くなるからといって冷房を使わなければ最悪、生命の危機にもなりかねません。
カーエアコンを製造しているカルソニックカンセイは、2017年に省燃費につながるエアコンの温度設定を発表しました。それによると、日本車は25度(アメリカ車も含む)、欧州車は22度に設定すると、燃費の悪化が少ないとのことです。
ちなみに同社によれば、一般道、高速道路という走行速度域や外気温は関係なく、同じ温度設定が良いようです。欧米のクルマの設定温度が低いのは、人種による温度感知能力の差によって、エアコン本体の温度が低めに設定されているからだといいます。
カーエアコンの冷房は冷媒を0度近くまで冷やし、ここに外気を当てて、設定した適温の風を車内に送ります。この0度にするときの損失がもっとも少ないのが、この温度設定なのです。
では冷えた空気のままで内気循環させて、エアコンの温度を高めに設定すればいいじゃないかと思われるかもしれません。ですが車内の気温が高くなると、結局はエアコン側でつくる冷気をもう一度0度近くにまで冷やす必要があるため、結局は効率=燃費が悪くなってしまいます。じつは、発表されている温度設定は、低すぎず高すぎずの絶妙な数値なのです。
カーエアコンは、家庭用エアコンの室外機にあたるコンデンサに、走行風+ファンの風を当てることで高温高圧になった冷媒を冷やしています。そのため、ノロノロの渋滞や停車状態では極度にエアコンの利きが悪化。行楽渋滞の多い夏場、どうしたら快適かつ効率よくカーエアコンを使うことができるのでしょうか。
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