トヨタの人気セダン対決! 日本意識のクラウンと北米育ちカムリの違いとは

日本市場では、「クラウンとカムリ」何が違う?

 15代目となるクラウンは日本国内のユーザーを意識したボディサイズで、全長4910mm×全幅1800mm×全高1455mm、ホイールベース2920mmとなっています。

 特徴は、国内外メーカーのセダンモデルが大型化するなかで、日本の狭い道路事情を考慮して全幅を1800mmに抑えたことです。それでも、長いホイールベースのおかげで、後席居住性は十分な余裕が感じられます。

 対するカムリは、米国市場をターゲットとするため、ボディサイズは全長4885mm×全幅1840mm×全高1445mm、ホイールベース2825mmとなっており、クラウンに比べて車幅があります。

 外観デザインは低重心を突き詰め、低く構えたボンネットフード、フェンダーから低いベルトラインで構成、ワイド&ローの姿となっており、FFならではのゆったりと広い室内は特徴的なポイントです。

 クラウンの価格(消費税込)は、3種類のパワートレインや標準仕様・RS仕様と装備が異なるため、460万6200円から718万7400円と幅広い価格帯となっています。

 対するカムリは、1種類のパワートレインと基本の仕様がひとつのため、329万8320円から434万1600円と、クラウンと比べると価格差は少ないです。

15代続くトヨタを代表するセダンモデルの「クラウン」
15代続くトヨタを代表するセダンモデルの「クラウン」

 国産メーカー各社がモデルのグローバル化を進めていくなかで、クラウンはなぜ日本市場を意識し続けるのでしょうか。トヨタの販売店スタッフは次のように説明します。

「クラウンは日本における高級車の代名詞的存在です。グローバル化が進むなかで、日本に合わせた規格のままだと、販売が厳しい実情はあると思いますが、クラウンは日本をメインにして企画・開発されています。そのため、日本の道路事情に適したサイズを重要視するのです。

 また、クラウンは歴代モデルから乗り継がれているも多く、クラウンだから購入されるクルマでもありますので、先代・先々代モデルより大きく変更することはユーザー離れを起こすことも考えられます。

 一方で、同じセダンモデルのカムリは、主に北米を意識しているモデルです。そのため、日本の事情よりも北米市場で売れるモデルでなくてはならないため、ボディサイズは巨大化しています。日本市場では、スタイリッシュなデザインや2018年8月に追加された『WS』というスポーティなグレードが、20代から30代のユーザーから支持を得ています。

 そのため、クラウンとカムリは同じトヨタのセダンモデルでも、ユーザーの棲み分けができているのだと思います」

※ ※ ※

 日本を意識したクラウンと北米を意識したカムリ、コンセプトは違ってもトヨタが誇るセダンモデルという点では、魅力的な2台といえます。

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