なぜトヨタは東京五輪にロボット提供? 近未来モビリティ&ロボットを動画でチェック
東京2020大会をサポートするトヨタのモビリティとロボットたち。動画を見てもわかるとおり、静かに移動するEV車や人間と同じ繊細な動きができるロボットなど、まるで近未来のような光景でした。大会を盛り上げてくれるのは間違いありません。
なぜトヨタが五輪でロボットを提供するのか
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トヨタは、オリンピックとパラリンピックのワールドワイドパートナーとして、東京2020大会をサポートする近未来モビリティやロボットを公開しました。
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自動車業界は100年に一度の大変革期といわれます。「コネクティッド」「自動化」「シェアリング」「電動化」といった「CASE」と呼ばれる新しい領域で技術革新が進むなか、トヨタは「自動車をつくる会社」から「世界のあらゆる人々の移動に関わるモビリティカンパニー」へ変革していくと、くりかえし宣言しています。
トヨタは2004年頃から、おもに身体の不自由な人や高齢者を支援するパートナーロボットの開発に取り組んできましたが、「モビリティカンパニー」へと変革していくなかで、サポート対象を広げ、これからはすべての人に移動の自由を提供したいと説明。
トヨタの考える「移動」は、人や物が実際に動く「物理的な移動」だけにとどまりません。アバターやロボットなどを介した遠隔コミュニケーションは「ヴァーチャルな移動」と考えられます。
そして「移動」による新たな体験や出会いから生まれた「感動」も、人の気持ちが動くという意味で「移動」と考えられるといいます。
そんななか、トヨタは2019年7月に東京2020オリンピック・パラリンピックへ向けた施策を公表。今回は、競技会場などで使われるモビリティとロボットを使ったさまざまな施策がお披露目されました。
電気自動車「APM」(Accessible People Mover)は、会場内で選手や観客の短距離輸送に使われ、車体の床が低くて乗り降りしやすく、乗降時に手でつかめる補助バーも設置されています。
シートは3列あり、定員は6名。2列目シートは折りたたむことができます。車イス用のスロープを車体の床下から引き出して手軽に使用することができます。
またトヨタは、乗り物だけでなく、ロボットの提供もおこなっています。東京2020大会のマスコット「ミライトワ」と「ソメイティ」をロボット化。頭のカメラで近づく人を認識し、目の表情や身体の動きでさまざまな感情を表現することで、大会関連施設などにおいて選手や観客を歓迎してくれる予定です。
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さらに、身長154cmの人型ロボット「T-HR3」(登場は2017年)は、遠隔操縦できるロボットです。操縦者は、両腕につけるギブスのような装具やVRゴーグルなどを装着することにより、操縦者と同じ動きをT-HR3にさせることができ、装具を通して、T-HR3に外からかかる力を感じることができます。
T-HR3がどのように五輪に関係するかというと、たとえば、大会関連施設などでT-HR3とアスリートが握手すれば、その感触をロボットを介して、会場に来れない人に伝えることが可能です。遠隔地とのコミュニケーションが、会話やVR視覚にくわえて、力の伝達をともなった臨場感のあるものになります。
そのほかにも、カメラとディスプレイと移動機能を備えた、遠隔地間コミュニケーションサポートロボット「T-TR1」や、砲丸投げや槍投げなどの投てき競技で「投てき物」を回収・運搬を行う「FSR」(Field Support Robot)などが提供される予定です。
トヨタは東京2020大会について、すべての人の「移動したい」という思いを支援するモビリティやロボットを提供し、大会の盛り上げに貢献するほか、人とロボットが共生する未来を感じるきっかけにしたいとしています。
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