昭和のタイヤが続々再販! ヨコハマが懐かしのタイヤを復刻する理由
なぜ?令和の時代に昭和のタイヤを復刻するワケとは
いま、世界中で1960年代以降に発売されたヒストリックカーが流行しています。日本においてもその流れは同様ですが、ヨコハマはなぜ個体数が限られているヒストリックカー向けのタイヤを、積極的に展開しているのでしょうか。ヨコハマの関係者に聞いてみました。
「アドバンHFタイプDを復刻した2017年は、弊社が100周年を迎える年でした。その記念として企画したのですが、多くのヒストリックカーオーナーの方々から歓迎されました。当時のパーツはまだ残っていたとしても、当時のタイヤはありません。ヒストリックカーのタイヤサイズだと、多くはベーシックなエコタイヤを選ぶほかないという現状がありました」
ーーアドバンHFタイプD、そして今回発売されたGTスペシャル クラシックやA539と、ヒストリックカー向けのタイヤラインナップが増えましたが、開発にあたって苦労はありましたか?
「どのタイヤもクラシカルなトレッドパターンやサイドウオールデザインですが、じつは当時のものとは若干異なっています。GTスペシャル クラシックは、パターンは同じですがサイドウオールのデザインが違います。
当然ながら昔のゴム配合のままではなく、最新のトレッドコンパウンドを使用していますが、あまりグリップ力を高めてしまうと、新車から何十年もたったヒストリックカーに装着した場合、ボディ剛性とバランスが取れなくなってしまいます。
ただしグリップ感は味わっていただきたい。そのさじ加減が難しかったです。アドバンHFタイプDを購入されたお客様からは、当時の感覚を思い出したとの声を多数いただいています」
ーーヨコハマとしてヒストリックカー用タイヤを展開する理由はどこにあるのですか?
「弊社の中期経営計画では、拡大するプレミアムタイヤ市場で存在感を向上するためのひとつとして、ホビータイヤ戦略というものを掲げています。ホビータイヤとはレースやオフロード向けなどのタイヤのことですが、ヒストリックカー向けのタイヤもここに含まれています。
我々としては立ち位置をより明確にすることで、クルマ好きのユーザーと一緒にクルマ業界を盛り上げていきたい、そしてクルマ好きの方々に愛されるタイヤメーカーになりたいと考えています。
こうしたヒストリックカー向けタイヤは、海外でも展開して好評を得ています。今回発売したGTスペシャル クラシックY350だけはまだ海外で販売されていませんが、近々に予定しています」
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ブリヂストンが2017年に、初代「ロードスター(NA型)」向け新車装着タイヤ「SF325」を復刻したのが話題となりましたが、日本ではミシュランがクラシックタイヤを展開しているほかには、選択肢が少ないのが現状です。タイヤは、ヒストリックカーオーナー共通の悩みの種といえるでしょう。
ヨコハマは今後、1989年にはじめてポルシェの認証を取り、「964型911カレラ」に新車装着された「ヨコハマA008P」も復刻する予定だと発表しています。
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