トヨタが見据えるタクシー業界の未来! 高齢化や需要増加など「2020年問題!?」 をどう乗り切る?

タクシー業界の未来を見据えるトヨタの戦略とは

 2018年2月、トヨタとJapanTaxi株式会社は、タクシー業界全体の活性化・効率化に向けて、タクシー事業者向けサービスの共同開発などを検討する旨の基本合意書を締結しました。

 同時に、両社の関係強化のため、トヨタがJapanTaxiに出資することに合意。トヨタの出資額は約75億円で、トヨタは、JapanTaxiが第三者割当増資により発行する株式を引き受けています。

 JapanTaxiは、タクシー業界最大手・日本交通の5000台のタクシーをバックボーンとする業界トップの「トランスポーテーション・プラットフォーマー」です。

 同社は、タクシー利用客により安心で便利なタクシーの使い方を提案するため、タクシー配車アプリ「全国タクシー」を開発してきました。現在、配車アプリ「全国タクシー」は約400万ダウンロード、車両登録数は全国のタクシー車両の約4分の1となる約6万台と、タクシー配車アプリとして国内トップシェアを誇っています。

 JapanTaxiは、2020年東京オリンピック/パラリンピックまでには、自動車メーカーと連携した「自動運転タクシー」にも挑戦するとしています。

街中でも見かける機会の多い、セダンタイプのタクシー
街中でも見かける機会の多い、セダンタイプのタクシー

 トヨタは、その後、東京エリアで通信型ドライブレコーダーを活用した実証実験を開始するなどし、タクシー業界全体の活性化・効率化を図る研究開発、サービス開発を模索しています。

 新しいタクシー専用車JPN TAXIが走り始め、トヨタと「トランスポーテーション・プラットフォーマー」のJapanTaxiが協働で日本のタクシー変革を目指しています。

 また、2018年3月にトヨタとJapanTaxiは、KDDI、アクセンチュアと共同で、タクシー運行実績に、スマートフォンの位置情報ビッグデータを利用して生成する人口動態予測やイベントなどの情報を用いて予測したタクシー需要を配信する「配車支援システム」を開発し、東京都内で試験導入を開始しました。

 試験導入では、実際にシステムを導入した車両のドライバーの売上が平均で前月よりも1日あたり20.4%増え、ドライバー全体の増加率9.4%を上回る成果が出ています。

 4社は、このシステムがタクシーの利便性を高めるほか、タクシードライバーの給与アップや業界の変革に貢献するとしています。

 また、今後順次搭載を拡大していく通信型ドライブレコーダーで収集される「走行画像」の解析結果と、タクシー需要の相関関係の研究も進め、今後このシステムの発展を通じて、快適なモビリティ社会の創造に貢献していくとしています。

トヨタ「JPN TAXI」や「クラウンコンフォート」、日産「クルー」など、タクシー専用車を画像で見る(15枚)

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