大型ロータリーセダンもあった!? マツダの迷車5選

迷走していたころだからこそ出た面白いモデル

●ファミリアNEO(1994年)

いま見るとかなりユニークなクーペ「ファミリアNEO」

 コンパクトなボディに強力なDOHCターボエンジンと4WDシステムで、モータースポーツの世界で人気だった7代目「ファミリア」でしたが、国内景気の低迷の影響などもあり、1994年にモデルチェンジされた8代目ファミリアでは高性能バージョンは用意されず、スポーティモデルとしてクーペの「ファミリアNEO」が登場しました。

 クーペでありながら背の高いデザインとしたことで、通常の3ドアハッチバック並みのスペースユーティリティを実現していました。

 海外ではスタイルが評価されましたが、国内ではデザイン的に優れていると評されることはありませんでした。

 エンジンも1.8リッターと1.5リッターの平凡な直列4気筒しかなく、やはり、従来のハイパワーエンジンが用意されていなかったことが不人気の要因のひとつだったともいえます。

 結局、1996年にファミリアNEOはラインナップから消滅するかたちで、国内販売が終了となりました。

●ロードペーサー(1975年)

高級車としての資質は十分にあった「ロードペーサー」

 マツダはロータリーエンジン搭載車フルラインナップを完成するために、1975年、トヨタ「センチュリー」や日産「プレジデント」に対抗するプレステージセダン「ロードペーサー」を発売しました。

 当時のマツダは高級車を自社で開発できなかったために、オーストラリアのホールデン「プレミアー」をベースに、1.3リッター2ローターで135馬力を発揮する「13B型」ロータリーエンジンを搭載し、マツダのフラッグシップとして販売を開始。

 しかし、もともと5リッターを超える排気量のV型8気筒エンジンを搭載するためのボディは重く、燃費の悪さと日本人には好まれないスタイリングでした。さらに高額な車両価格のため、販売は低迷してしまいます。

 ところがロードペーサーは、騒音や振動が少ないロータリーエンジンが生む静粛性に加え、組み合わされていたトランスミッションがATだったこともあり、ロータリーエンジンが低回転数時に発生しやすい「カーバッキング(エンジンがスムーズに回らずガクガクする現象)」を感じることもない、上質な乗り心地でした。

 実力的にはプレステージセダンになりえたロードペーサーでしたが、1977年に登場した「ルーチェ レガート」にマツダのフラッグシップの座を譲ることになりました。

※ ※ ※

 昨今では「質実剛健」なイメージのマツダですが、かつての成功と失敗を繰り返してきたからこそ現在があると思います。

 ロータリーエンジンのような唯一無二の技術を磨き続けてほしいと願う人も多いと思いますが、いまでも内燃機関の技術革新とシャシの熟成を続け、積極的にMT車を用意して走る楽しさを追求する姿勢は、もっと高く評価されても良いのではないでしょうか。

【了】

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Writer: くるまのニュース編集部

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