自動車メーカーのモーターショー離れなぜ進む? トヨタがドイツショー撤退した背景とは
トヨタが、2019年9月に開催されるドイツ・フランクフルトモーターショーに出展しない見通しであることを、日本経済新聞が報じました。世界的に進む自動車メーカーのモーターショー離れは、なぜ起きているのでしょうか。
フランクフルトショーに限らない自動車メーカーのモーターショー離れ
「トヨタが2019年9月に開催されるドイツ・フランクフルトモーターショーに出展せず」
日本経済新聞が独自の情報源を基に伝えたこのニュースに、日本の自動車メーカー関係者の多くが「ついに、ここまで来たか」とため息を漏らしています。どうして、トヨタは未出展の決断をしたのでしょうか。
ドイツは自動車発祥の地であり、また技術開発でも世界をリードしてきた自動車産業王国です。そこで開催されるモーターショーに、日本を代表する自動車メーカーのトヨタが出展しないというインパクトは図り知れません。
その背景にあるのは、近年目立つようになったモーターショーというイベントの衰退そのものです。
具体的には、2018年のフランス・パリモーターショーで欧州ブランドの撤退が相次ぎ、会場内の展示ブースを大幅に縮小する事態に発展しました。
じつは、筆者(桃田健史)はこうした状況に陥ることを、その数年前に知っていました。
なぜならば、パリモーターショーの主催者から直接「近いうち、モーターショーは商売として成り立たなくなることは確実だ。ITなど自動車以外の分野の日系企業と、新しいコラボレーションができないだろうか」という相談を受けていたからです。
残念ながら、筆者として力添えをすることはできず、結果的に主催者の予想が的中して、パリモーターショーは一気に縮小傾向に陥ってしまいました。
このほか、北米国際自動車ショー(通称:デトロイトショー)は2019年開催をもって、これまでの1月開催を中止し、2020年から6月開催へと変更されました。
単に開催時期が変わっただけではなく、モーターショーとしてのあり方自体を大幅に見直し、有名ミュージシャンによる屋外コンサートを併催するなど、自動車中心のイベントから様変わりしようとしています。
つまり「2019年で北米国際自動車ショーは消滅した」といっても過言ではありません。
海外だけではなく、日本でも同じような現象が起きています。
2019年10月開催の東京モーターショーでは、アウディ、ポルシェ、ボルボ、BMWなど海外ブランドの撤退がすでに確定しているのです。
(除く米国)20年位前までは、東京とフランク以外は、ショー(新技術展示)というより見本市的(お披露目)。ジュネーブでも、ブース内には電卓持った販売店の人がいました。その後、その多くが、メーカー主体でショー化・大型化され「過大な負担」化。目的・負担と結果を見直したのでしょう。