なぜセルフ給油は勝手に止まる? 車種毎に給油口の角度や大きさに決まりはあるのか

燃料タンクまでの配管レイアウトは決まっている?

 そんな燃料タンクの配管レイアウトは法律で事細かに決められているわけではなく、「燃料タンクおよび配管は、堅ろうで、振動、衝撃等により損傷を生じないように取り付けられていること」とだけ定められています。

トヨタ RAV4の燃料配管パイプ
トヨタ RAV4の燃料配管パイプ

「燃料配管の継手、弁等は排気管、消音器等高熱を発する装置に近接して設けられていないこと」といった決まりはあるものの、レイアウトや配管の径などはとくに定められていません。

 そのためクルマによっては空気が抜けにくかったり、燃料が跳ね返りやすかったりするレイアウトになってしまうこともあるというわけです。

 ちなみに給油口の位置については「燃料タンクの注入口およびガス抜口は、排気管の開口方向になく、かつ、排気管の開口部から300mm以上離れていること」と定められています。

 初代セリカなどはテールランプの間に給油口がありましたが、排気管(マフラー)の開口方向となるため、現在では見ることができないレイアウトとなります。

 セルフ式スタンドのオートストップが誤作動する原因は分かりましたが、スムーズに給油する方法はないのでしょうか。

 満タンではないのに止まってしまうことを、ここでは「誤作動」と書いていますが、オートストップ機能が働くのは空気口が燃料で塞がれたときであり、実際に満タンになってはいないものの燃料によって塞がれているのは事実で、誤作動というのは適切な表現ではないかもしれません。

 オートストップが作動することを嫌って給油ノズルをしっかり奥まで入れない人や、トリガーを浅く握る人もいるようですが、これは万が一のときにオートストップが作動せず、燃料があふれ出る危険性をはらんだものなのでオススメできる行為ではありません。

 どうしても給油がストップしてしまう車種の解決法としては、給油ノズルを差し込む角度を少し調整してあげることくらいしかできません。もしも満タンになる前にオートストップが作動しても、「ちゃんと仕事してるな!」くらいの広い心を持って給油することが一番なのかもしれません。

給油口の中身はどうなっている? 画像でチェック!

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Writer: 小鮒康一

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。

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