プリウスとインサイトの違いはどこに? 歴史重ねる両モデルの立ち位置とは

2018年12月に3代目がデビューしたホンダ「インサイト」
2018年12月に3代目がデビューしたホンダ「インサイト」

 続いて、安全装備やオプション設定について見てみましょう。まず、プリウスには「Toyota Safety Sense」、インサイトには「Honda SENSING」という安全運転支援機能のパッケージが全グレード標準装備となっています。

 どちらも、プリクラッシュセーフティシステム/衝突被害軽減ブレーキや、レーンディパーチャーアラート/路外逸脱抑制機能といった基本的な機能が盛り込まれていますが、プリウスの場合、ブラインドスポットモニターやインテリジェントパーキングアシストといった装備は、エントリーグレードには標準装備となってはいません。

 一方のインサイトは全グレード同等の装備ですが、インテリジェントパーキングアシストについてはどのグレードにも設定がありません。しかし、オートハイビームや車線維持支援システム付きのアダプティブクルーズコントロールが搭載されているなど、長距離の高速道路走行では嬉しい装備が搭載されているのがインサイトの特徴です。

 また、前述の通りプリウスにはナビゲーションシステムが標準装備されていません。そのため、エントリーモデルを選択すれば乗り出し価格を抑えられますが、インサイトと同等の高機能なものを選択すれば価格的優位は薄れてしまいます。

 ナビ以外にも、インサイトにはメーカーオプションで選択できる余地がほとんどないため、既製モデルの状態で購入しても十分な装備が搭載されています。対するプリウスは、さまざまなオプション設定を選択することで自分なりの1台に仕上げられるなど、ユーザーのニーズよって分かれる部分です。

 かつては、同じハイブリッド車市場のなかで、ライバル関係にあったプリウスとインサイトですが、いまはそれぞれの道を目指しているようです。その背景には、インサイトの主戦場が北米市場になったことや、それぞれの環境に対する戦略があります。

 その結果、プリウスはあらゆるニーズをカバーするオールマイティーなエコカーとなり、インサイトは上質な移動空間を兼ねたエコカーという立ち位置に変わっています。

 また、プリウスには、今回紹介したグレード以外にも、より安価なエントリーグレードが設定されており、オプション設定も厳選すればインサイトよりはるかに乗り出し価格を抑えることが可能です。

 一方で、インサイトでは数少ないメーカーオプションである本革シートなどを設定することで、乗り出し価格は400万円程度にまで上がりますが、その価格に恥じないエレガントなデザインや走りを堪能することができます。

 もちろん、現在販売されている新型車のなかでは、随一の環境性能を誇るエコカーです。その上で、コストパフォーマンスを優先するか、エレガンスを求めるかがチョイスの分かれ目になるのではないでしょうか。

【了】

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2件のコメント

  1. そうか、インサイトは三代目なんだ。初代のことは全く忘れていた。三台を並べると、ホンダさんお得意の、名前の継続だけで車両コンセプト(パッケージング)がコロコロ変わる典型モデルですね。
    安いエコカーということで、展示会で2代目のリアシートに座った時、ルーフが低すぎて嫁さん(=我が家の大蔵大臣)を説得できないとあきらめたのを思い出した。

  2. 現行プリウスのおもちゃみたいなデザインは、誰も止める人いなかったんかなあ。

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