プリウスとインサイトの違いはどこに? 歴史重ねる両モデルの立ち位置とは
トヨタ「プリウス」とホンダ「インサイト」は、ハイブリッドカーの普及に大きく貢献した自動車史に残るクルマです。今回は、その最新モデル2台を比較していきます。
新型インサイトの登場でふたたび同じ土俵へ
1997年、「21世紀に間に合いました。」をキャッチコピーとして、世界初の量産型ハイブリッドカーであるトヨタ「プリウス」が発売されました。それから2年後の1999年に、今度はホンダから当時量産車としては世界最高の燃費性能を誇る「インサイト」が登場します。
その後、両者はモデルチェンジを繰り返し、また、その舞台を世界へと広げて、熾烈な燃費競争を繰り広げてきました。そしていま、プリウスは4代目、インサイトは3代目と世代を重ねましたが2台、どのように進化してきたのでしょうか。
今回比較するのは、プリウスが「A ツーリングセレクション」、インサイトが「EX」。駆動形式はどちらも2WD(FF)の、売れ筋グレードです。
価格は、プリウスが300万6720円、インサイトが349万9200円となっており、一見開きがあるように見えますが、インサイトには高機能な純正ナビゲーションシステムやETCが標準装備されています。
対して、プリウスのナビゲーションシステムはオプション設定となり、仮にT-Connect SDナビゲーション+6スピーカーオーディオを付けるには35万5320円の追加料金が必要となるため、実質的な価格差はほとんどないといえるでしょう。
ボディサイズは、プリウスが全長4575mm×全幅1760mm×全高1470mmです。対するインサイトは、全長4675mm×全幅1820mm×全高1410mmとなり、よりロー&ワイドなモデルといえます。
最小回転半径は、インサイトが5.3m、プリウスが5.4mとインサイトに分がありますが、全幅1820mmのインサイトは狭い路地を走る際には全幅が気になるかもしれません。
パワートレインについては、プリウスが搭載するのは1.8リッター直列4気筒エンジン+電気モーターを組み合わせたTHS-IIと呼ばれるハイブリッドシステムです。
THS-II自体は2代目、3代目プリウスにも搭載されていますが、現行の4代目プリウスに搭載されるTHS-IIは名称こそ変更はないものの、機構面ではこれまでと大きく異なっています。燃費の改善はもちろん、4代目プリウスから採用された新グローバルプラットフォームであるTNGAとの組み合わせにより「走る喜び」も追求されました。
エンジン単体の最高出力は98ps、最大トルクは142Nmとなっており、そこに最高出力72ps、最大トルク163Nmを発揮するモーターが組み合わされます。カタログ燃費は37.2km/L(JC08モード)となっており、ハイブリッドカーとしては世界最高水準です。
対するインサイトが搭載するのは、SPORT HYBRID i-MMDと呼ばれる2モーター式のハイブリッドシステムです。最高出力109ps、最大トルク134Nmを発揮する1.5リッターエンジンと、最高出力131ps、最大トルク267Nmの2モーターを走行状況により使い分け、高効率かつ快適なドライビングを提供。カタログ燃費は34.2km/L(JC08モード)と、プリウスにはおよびませんが、トップクラスの燃費性を誇ります。
プリウスとインサイトは、ともにハイブリッドカーですが、プリウスがガソリンエンジンでの走行を電気モーターがアシストするという構造なのに対し、インサイトは電気モーターでの走行を、ガソリンエンジンが主に発電用として使用されることでアシストするという仕組みとなっています。
そうか、インサイトは三代目なんだ。初代のことは全く忘れていた。三台を並べると、ホンダさんお得意の、名前の継続だけで車両コンセプト(パッケージング)がコロコロ変わる典型モデルですね。
安いエコカーということで、展示会で2代目のリアシートに座った時、ルーフが低すぎて嫁さん(=我が家の大蔵大臣)を説得できないとあきらめたのを思い出した。
現行プリウスのおもちゃみたいなデザインは、誰も止める人いなかったんかなあ。