形は違うのに車種名は同じ? モデルチェンジでガラリと変わる車が存在する理由

コンセプトの違いから車名が変わったケースも

 一方、ホンダ車のなかには、クルマの形に大きな違いがないにも関わらず、車名を変更したクルマも存在します。

ホンダ ビート バージョンC

 現在、ホンダから「S660」という軽自動車が販売されていますが、このクルマによく似たタイプの車種として、1991年から1996年に同社から「ビート」が販売されていました。

 両車は共に、MRレイアウトが採用されたオープン2シーターの軽自動車という特徴がありますが、なぜ車名が変わったのでしょうか。その理由は、両車の発売直後に公表されたホンダのコメントからうかがい知ることができます。

 S660が発売された2015年に、ホンダは同車のコンセプトについて次のように説明しています。

「新型2シーター・オープンスポーツの『S660』は、見て楽しい、乗って楽しい、あらゆる場面でいつでもワクワクする、心が昂ぶる本格スポーツカーを追求して誕生しました。開発のキーワードは『Heart Beat Sport』としています」

 車名にはホンダのスポーツモデル伝統の「S」が付けられており、ここからも本格スポーツカーとして開発されたことが感じられます。

 一方ビートの発売時には、ホンダは同車のコンセプトについて次のように説明しています。

「全く新しいコンセプトにもとづいて開発した『ビート』は、軽乗用車として初めてMRレイアウトと2シーター・フルオープンボディを採用しました。

 斬新でキュートな内外装デザインとしたほか、軽4輪初のSRSエアバッグシステムの装着車を設定するなど、ホンダの先進技術が数多く盛り込まれました。

 従来のクルマのどのジャンルにもあてはまらない、新鮮で個性的な魅力を持つ“見て、乗って、走って”楽しいクルマとなっています」

 発売当時のホンダの発表内容では、搭載されるエンジンにF1の技術が応用されていることが紹介されていますが、それ以外でスポーツカーの要素を感じさせるようなアナウンスはありませんでした。

 実際にホンダはビートを「ミッドシップ・スポーツ」とは呼ばず、「ミッドシップ・アミューズメント」と表現していました。

 このことを考えると、S660とビートでは開発のコンセプトが完全に同じとはいえず、そのため同じボディタイプでも車名が引き継がれなかったのだと考えられます。

 ※ ※ ※

 クルマの車名には、メーカーからユーザーへのメッセージが込められています。メーカーにとって手を抜けない部分だからこそ、それぞれのクルマの遍歴を見ると、興味深い事象が見つかることがあるのです。

【了】

車名を変えるクルマと買えないクルマ 違いを写真で見る(34枚)

【2023年最新】自動車保険満足度ランキングを見る

画像ギャラリー

1 2

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る!

最新記事

コメント

本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー