踏切の立ち往生どう対処? 事故になる前に覚えておきたいコトとは
2019年6月19日、神奈川県で小田急線とクルマが衝突し、電車が脱線する事故がありました。なぜクルマは線路内で立ち往生してしまったのでしょうか。どう対処すればこの事故は防げたのでしょうか?
渋滞しやすい道路を横切る踏切は全国各地に存在する
2019年6月19日、神奈川県の厚木市にある踏切内で、小田急線の電車が立ち往生したクルマと衝突して脱線する事故がありました。
クルマが線路内で立ち往生してしまった原因は、踏切より先の道路がクルマで詰まっており、先に進むことができずに線路内で停止してしまったことです。
目撃者によると、「踏切の前後ともにクルマが詰まっており、その後遮断機が下りた。ドライバーはクルマを降りて非常停止ボタンを押したが間に合わず、電車がクルマにぶつかって脱線した」とのことです。
道路交通法第44条では、踏切内は駐停車禁止場所になっています。踏切に進入する直前は、停止線があれば停止線で一時停止し、停止線がない場合は踏切の直前で停止するよう定められています。
一時停止をおこなったときは線路左右の確安全認をすることはもちろんですが、線路を渡る先の道路状況もしっかりと見て、自分のクルマが踏切内で停止するような状況かそうでないかも確認しなければいけません。
道路交通法第33条第1項には、「車両等は、踏切を通過しようとするときは、踏切の直前で停止し、かつ、安全であることを確認した後でなければ進行してはならない。ただし、信号機の表示する信号に従うときは、踏切の直前で停止しないで進行することができる」とあります。
今回、接触事故を起こしてしまったドライバーは、一時停止中に前方の安全確認を怠ってしまったのです。
事故は人為的なミスが原因で起こる場合の方が多いですが、クルマが故障してしまったり、脱輪してしまい線路内で身動きが取れなくなる状況も十分に考えられます。
もしそのような事態になってしまったらどうしたら良いのでしょうか? 警視庁に話を聞いてみました。
ーー踏切内で立ち往生してしまったらどうすれば良いのでしょうか
クルマが動く状態であれば、もし遮断棒に接触してそのままクルマで押して線路外へ出てください。遮断棒は柔軟性のある資材でできており、クルマに引っかかった場合でもそのまま進むことができます。
遮断棒が折れてしまったとしても、そのままアクセルを踏んで踏切から脱出してください。まずは線路外へ出ることが何よりも大切です。
ーークルマが動かない場合はどうしたら良いのでしょうか
クルマがトラブルによって動かなくなった場合は、即座に踏切に備え付けられている「非常停止ボタン」を押してください。遮断機が下り始めてから電車が通過するまでは約15秒しかありませんので、なんとかクルマを動かそうと試みると、すぐに時間が経って間に合わなくなってしまいます。
エンスト・故障・脱輪などでクルマがすぐに動かせないと判断したら、すぐクルマから降りて非常停止ボタンを押してください。
非常停止ボタンは警報機の近くに設置されていますが、いたずらや誤作動に対応するために軽く押しても作動しないように作られていますから、思い切り強くボタンを押してください。ボタンを押したあとは、非常ボタンの付近に記載してある番号に電話をしてください。
※ ※ ※
今回の事故現場の線路は複線でしたから、踏切内であってもクルマの前後には余裕があったと推測できます。この場合は自車の右後方の道路は空いている状態ですから、少し切り返して後退し、そのまま遮断棒を押して線路外へ出ていれば事故は起きなかったかもしれません。
人は焦ってしまうと気が動転してパニックになってしまいがちですが、普段から緊急時の対応策を覚えておけば、事故を回避できる確率がグッと上がります。
今一度初心に返り、免許証取得時に習ったことを勉強し直してみるのも良いかもしれません。
【了】
良い記事のなのでシェアしたいのですが、「伏線」→「複線」ではないですか。
伏線っていう漢字、間違ってます。