17年ぶりにスープラが復活できた背景に人気「映画」 トヨタが今でも感謝する主演俳優とは
トヨタ新型「スープラ」が2019年5月に発売されました。17年ぶりの復活を成し遂げた要因のひとつとして、人気映画に登場したことで北米での人気に火が付いたという背景があります。トヨタがいまでも感謝し続けるその映画の主演俳優とは、いったい誰でしょうか。
スープラファンを根付かせた人気映画「ワイルド・スピード」
世界中のファンが夢見て、長年心待ちにしていたトヨタ「スープラ」の復活劇。背景には、とあるクルマ映画の存在がありました。
この映画によって、スープラをはじめとした日本車の人気は北米を中心に大いに盛り上がり、日本車の新たな魅力を世界に伝えるきっかけにもなりました。その映画とスープラは、いったいどのような関係性だったのでしょうか。
スープラの人気を押し上げた映画は、2001年に1作目が公開された「ワイルド・スピード」シリーズです。スープラ(1994年式タルガトップ仕様)は1作目の後半から登場します。
作中では最初はスクラップ同然の状態で、登場人物であるドミニクの自動車整備工場「D•T Precision Auto Shop」に持ち込まれ、「ゼロヨンを走るのに10分かかる。ここは廃車置き場じゃない!」などと揶揄されもしました。
しかし、搭載されるトヨタ最強のスポーツエンジン「2JZ型」は無事であったことから、そこから大規模なレストアとチューニングが施されます。
やがて衝撃的なカッコよさを誇る最速のゼロヨンマシンに生まれ変わり、故ポール・ウォーカー演じるブライアン・オコナー巡査の愛車となります。
ちなみに、アメリカではA80型スープラのことを「Toyota Supra MK IV」(マークフォー)と呼びます。
日本国内では初代セリカXX(A40型/A50型)に当たるモデルから、北米では「SUPRA」の車名で販売されていたため、4世代目となるA80型スープラは「マークフォー」との車名になるのです。
そしてこのオレンジのスープラ、じつは同シリーズでテクニカルアドバイザーを務める、クレイグ・リーブマン氏の所有するクルマでした。
オリジナルのボディカラーは黄色で、映画のためにオレンジ色(ランボルギーニ『ディアブロ』の純正色である『キャンディパールオレンジ』)に塗装されています。
1作目に出てくるスープラは、メインとなるのはタルガトップですが、撮影ではほかにタルガトップを外してハードトップを付けたものや、純粋なクーペモデルも数台用意され、遠目に映るシーンではクーペボディのスープラが使われていたようです。
2JZ-GE型エンジンは3.1リッターに拡大され、ゼロヨンで勝つためにシングルターボのターボネティクス製「T-66ボールベアリングターボ」をボルトオンしています。
最高出力は700HPを超え、エグゾーストシステムはグレッディの「Power Extreme ExhaustPro」が搭載されました。サスペンションはアイバッハのコイルオーバー(車高調)に交換されています。
スープラはもともとアメリカで人気の高い日本車でしたが、ワイルド・スピードの登場を機に、映画の人気と共にファンが急増していきました。
同様にR32型からR34型の「スカイラインGT-R」や、「シビック」、「エクリプス」、「アコード」、「ランサーエボリューション」、S14型「シルビア」、「350Z」など「スポコン」(スポーツコンパクト)にカテゴライズされる日本車の人気も高まりました。
結果として、海外仕様で輸出された日本車を、海外のユーザーが日本仕様に近づけつつチューンアップするという「JDM」というカスタム手法が発展し、世界中に多くの熱狂的なJDMファンを生み出すきっかけとなったのです。
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