小っちゃ、でも凄いんです! 全長3m前後しかない小さくても魅力的なクルマ5選
あえて規格いっぱいにしないことで価値が生まれた軽自動車たち
●ダイハツ ミゼットII
ダイハツ「ミゼットII」は、1996年から2001年まで販売されていた軽トラックです。
軽自動車ということで「小さいボディになるのは必然」と思う人もいるかもしれませんが、ミゼットはほかの軽自動車よりもさらに小さい設計。発売当時の軽自動車規格(3300mm)より50センチも短い2790mm(Dタイプ)というサイズで登場しました。全幅も1295mmと、当時の規格値(1400mm)より狭めです。
このクルマのモチーフとなったのは、1950年代から1960年代にかけて日本のモータリゼーションの発展を支えた軽三輪自動車「ミゼット」。小さく手頃な値段で人気を博したこのクルマの精神を復活させたモデルとして誕生しました。
登場当時のラインナップはMT・1人乗り仕様のみというミニマムさです。内装の写真を見ると運転席のすぐ横にシフトノブが設けられていることから、助手席の設置が困難なほどの室内だったことがうかがえます。後にAT・2人乗りの仕様も追加されました。
また、決して趣味性は高くない軽トラックであったにもかかわらず、なぜか手作りで生産されていたことも特徴のひとつです。
●スズキ「ツイン」
スズキ「ツイン」も、規格のサイズより大幅に小さく設計されたクルマのひとつです。スマートと同じくシティコミューターとしての使い方の似合うモデルでした。
丸いヘッドライトが特徴的なボディの全長は、なんと2735mm。現在適応されている軽自動車規格(3400mm)と比べるまでもない短さです。これにより最小回転半径は3.6メートルと、軽自動車で求められる圧倒的な取りまわしの良さを実現しました。
環境性能も高く、市販軽4輪車初のハイブリッドシステム搭載仕様が設定されたことにより、ハイブリッド仕様は10・15モード燃費34km/Lを記録しています(ハイブリッドA)。
販売期間は2003年から2005年までと短命でしたが、かなり先進的な軽自動車だったといえます。
●スバル「R1」
小型でありながらプレミアム性を追求する、という提案をしていたのがスバル「R1」です。2004年から2010年まで販売されていたこのクルマもまた、軽自動車の枠にとらわれないモデルでした。
全長は3285mmと軽自動車規格の3400mmいっぱいまで拡大されず、ボディのシルエットは卵型のデザインとなっています。
また、このクルマはひとりで移動する時間をより贅沢にする装備が多数用意されていました。本革とアルカンターラを組み合わせたシート表皮が設定されていたり、助手席を倒してテーブルに使えることなどからも、R1独自ならではのコンセプトが感じられます。
内装色に赤が用意されていることからも、この軽自動車がオーナーの所有欲をくすぐるようなクルマであることが分かります。
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日本のクルマは、これまで大きく豪華になりつづけてきました。巨大化した結果、衝突安全性能や快適性が向上したりデザインの自由度が増すなどの利点が生まれてきたことは確かです。
しかし、自動車市場の新しい流れとして「所有」だけではなく「レンタル」や「シェア」という考え方が生まれているなかで、小さなクルマが時代にフィットする部分も大きくなりつつあります。
今回紹介したモデルの大半は生産終了してしまったものの、いまこそ新たな「小さなクルマ」が求められているのではないでしょうか。
【了】
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