フルモデルチェンジなく40年以上販売!? 超ロングセラー車5選

多くの工業製品は発売から時間の経過とともに商品の魅力は低下してしまう運命にあります。しかし、数十年もフルモデルチェンジすることなく販売されたクルマもあります。そこで、超ロングセラーだったクルマを5車種ピックアップして紹介します。

40年オーバーもあたりまえ!? 超ロングセラーなクルマ5選

 近年、クルマのモデルチェンジサイクルは世界的にみても伸びています。かつては4年から6年でフルモデルチェンジしていましたが、いまでは10年以上大きく変わらないモデルもあります。

累計生産台数100万台を記念して作られたゴールド塗装の「タイプ1」

 フルモデルチェンジする理由はさまざまで、商品力の低下や、法改正による影響、生産設備の問題などが挙げられます。

 一方、フルモデルチェンジすることなく数十年も販売されたクルマもあります。当然、各性能は最新モデルの方がよいのですが、それを踏まえても魅力あるクルマだったということでしょう。

 そこで、フルモデルチェンジすることなく超ロングセラーだったクルマ5車種をピックアップして紹介します。

●フォルクスワーゲン「タイプ1」

1938年に製造されたもっとも初期の「タイプ1」

 ロングセラーの代表的存在といえばフォルクスワーゲン「タイプ1」ではないでしょうか。単一車種ではフルモデルチェンジを繰り返し50年以上販売しているモデルもありますが、タイプ1はフルモデルチェンジなしに65年もの歴史を刻みました。

 始まりは第二次大戦以前の1938年、アドルフ・ヒトラーの国民車構想のもと、フェルディナンド・ポルシェ博士によってタイプ1を開発。

 戦時中は民間には販売されず、主に軍用として生産されました。

 戦後になるとドイツ復興のためタイプ1の量産が始まり、世界中に輸出され、またたく間にベストセラーカーとなります。

 タイプ1は空冷水平対向4気筒エンジンを、軽量かつ剛性の高いシャシの後部に搭載。このレイアウトは汎用性が高く、1BOXワゴンからスポーツタイプまで、さまざまな派生車が誕生するなど、あらゆる顧客のニーズに対応しました。

 ドイツ本国での生産は1978年に終了してしまいましたが、主力車種は「ゴルフ」にバトンタッチしますが、メキシコでの生産は2003年まで続きました。

●BMC「ミニ」

優れたデザインとパッケージングの偉大な小型車「ミニ」

 1959年、BMC(ブリティッシュ・モーター・コーポレーション)から、天才技術者であるアレック・イシゴニスによる設計の「ミニ」を発売します。

 ミニは全長3mほどの小型な車体ながら、大人4人と荷物を載せてドライブできるほどの優れたパッケージングで、後のコンパクトカーに多大な影響を与えました。

 エンジンは初期モデルで850ccの直列4気筒OHV(BMC A型)を横置きに搭載するFFで、後に1.3リッターまで排気量を拡大します。

 ミニのユニークな点として、サスペンションに用いられるスプリングが、一般的な金属のコイルばねではなく「ラバーコーン」と呼ばれるゴム製のばねでした。これは、室内の寸法を極力広くするためのアイデアです。

 軽量な車体により運動性能も高く「クーパー」や「クーパーS」といった高性能版も作られ、モータースポーツでも活躍しました。

 また、セダン、ワゴン、バン、ピックアップトラックと多くのバリエーションも用意されるなど、優れた基本設計でした。

 2000年に最後モデルが販売され生産を終了しますが、イギリスのみならず日本でも人気があり、いまもさまざまなパーツが生産されて、クラシックカーのなかでも維持は非常に楽なモデルとなっています。

●シトロエン「2CV」

おしゃれでありながら実用車としても認められた「2CV」

 フランスのシトロエンは、いまからちょうど100年前の1919年に創業した歴史あるメーカーです。創業当初に作っていた歯車の歯の形状をモチーフに、エンブレムがデザインされたという話しは有名でしょう。

 シトロエンのクルマはデザインやメカニズムが独特で、かつては乗り味もシトロエンならではという個性もあり、熱狂的なファンが存在します。

 このシトロエンが第二次大戦以前に不整地でも快適で、経済的な「国民車」を計画し、1948年に「2CV」として発売に至ります。

 2CVはフランス語で「2馬力」ですが、出力が2馬力ではなく、出力によってクラス分けされる車格の分類(2CVクラス)という意味でした。

 曲面と平面をたくみに組み合わせた車体のフロントに、当初は375cc、最終型でも600ccほどと、小型な空冷水平対向2気筒OHVエンジンを搭載し、前輪を駆動するFFに。

 内装も無駄なものが一切ないほど極めてシンプルですが、外観同様秀逸なデザインとなっていました。

 さすがに衝突安全性の面や環境対応が難しくなり、1990年をもって生産を終了。じつに40年以上に渡って販売されていたことになります。

超ロングセラーモデルを画像でチェック(26枚)

【アンケート】ご職業に関する調査にご協力をお願いします

画像ギャラリー

1 2

【無料セミナー】「自動車DXサミット vol.3」 三菱ふそう KTC マツダ登壇 Amazonギフトカードプレゼント

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る!

最新記事

コメント

本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー