トヨタはなぜレクサスを国内に? 北米向けブランドとして誕生した30年は攻守の歴史だった

いまや、トヨタの高級ブランドとして、認知されている「レクサス」。元来は、北米向けの海外ブランドとして1989年に誕生。しかし、2005年には日本国内で展開を始めますが、なぜ16年もの時間差があるのでしょうか。

海外を攻め、日本を守ったレクサスブランド

 トヨタは、今までトヨタ/トヨペット/トヨタカローラ/ネッツトヨタという4つの販売系列を持っていました。そして、2000年代中頃には、高級ブランドとしてレクサス店も全国に展開しています。

 レクサスブランドは、1989年に北米で高級車ブランドとして立ち上げたのが始まりです。しかし、日本国内でのブランド展開は2005年からと、北米に比べて16年も遅れての上陸でした。なぜ、国内でのブランド展開にかなりの時間差があったのでしょうか。

最新のレクサスのエンブレム(新型ES)

 国内市場では、昔からトヨタの高級セダン「クラウン」が存在していました。今でも新型「クラウン」が発売されると、実車を見ないで注文するユーザーも多いですが、これはユーザーが「トヨタとクラウン」、「トヨタ店と担当セールスマン」に、万全の信頼を置いている証です。

 日本ではトヨタとクラウンこそが崇高なブランドだったため、レクサスは太刀打ちできず、日本で展開する必然性もありませんでした。

 そのために、レクサスのラインナップを日本で販売する場合、「LS ⇒ セルシオ」、「ES ⇒ ウィンダム」、「IS ⇒ アルテッツァ」、「GS ⇒ アリスト」と、名前を変えて販売。2000年代の中盤まで、日本ではレクサスブランドの必要性を認めず、同じクルマをトヨタ車として売っていたのです。

 これらの流れがあったのに、なぜ国内市場にレクサスブランドを導入したのでしょうか。その理由には、メルセデス・ベンツ、BMW、アウディなどの輸入プレミアムブランドが、セダンを中心に売れ行きを伸ばしてきたということが大きいようです。

 トヨタは、セダンの車種数が多いため、輸入車セダンの販売比率が高まると国内の業績に悪影響を与えます。そこで輸入プレミアムブランドに対しては、国内でもレクサスで対抗すべきと考えました。

 レクサスの商品企画担当者は、次のように話します。

「最近は、軽自動車の販売が好調で、将来的には、中国製の小型車が低価格で輸入されるかも知れません。そうなると、トヨタは上級移行しなければならない。そこで高額商品で利益を確保できる高級車のレクサス販売網を整えておくことも大切だと考えました」

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 ただし、レクサスの国内の売れ行きは、順調とはいえません。輸入車販売で1位のメルセデス・ベンツは6万5000台から6万8000台に達します。レクサスの販売規模はこれを下まわり、BMWやフォルクスワーゲンと同等です。

 それでもレクサスは、フルモデルチェンジの直前になっても値引きをほとんど行いません。実際の商談では、下取り車の買い取り価格を高めることもあるから完全な値引きゼロではありませんが、販売会社やメーカーが儲かる体質になっていることは確かです。

 海外を攻める戦略ブランドとして、レクサスは平成元年に誕生しましたが、トヨタの国内セダン市場を海外ブランドから守る価値も注目され、国内開業しました。

 なお、1990年(平成2年)の国内全体の新車販売は778万台でしたが、2018年(平成30年)は527万台と、32%も減少しています。トヨタの国内販売は、軽自動車の好調もあり、約30年間で38%減ったのです。

 その一方でトヨタの海外販売台数は、約30年前の3倍に急増しています。その結果、トヨタの国内販売比率は、1990年(平成2年)には約50%でしたが、今は約18%まで下がっています。

初代「LS」から最新の「UX」「ES」までレクサスの歴代モデルを画像で見る(23枚)

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