どう事故防ぐ? 社会問題化する交通事故の対策方法とは
「クルマの速度を抑えたい!」ゾーン30という取組みとは
子ども達の安全を守るという点では、住宅街や学校周辺で見かける機会の多い「ゾーン30」という取組みも存在します。これは、定められた区域に最高速度30km/hをはじめとするさまざまな規制がかけられたことを示すものです。
該当する区域が始まる場所には「ゾーン30」と表記されるほか、30という数字の下に「区域ここから」と書かれた標識が立てられ、ドライバーに分かりやすく明示されています。この「ゾーン30」とはどのような取組みなのでしょうか。
「ゾーン30」の適応場所について、警察庁は次のように説明しています。
「生活道路における歩行者などの安全な通行を確保することを目的として、区域(ゾーン)を定めて最高速度30km/hの速度規制を実施しています。
そのほかの安全対策を必要に応じて組み合わせ、ゾーン内における速度抑制やゾーン内を抜け道として通行する行為の抑制などを図る生活道路対策です」
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通常の道路に対する速度規制は、個々の道路(路線)ごとに実施するのが一般的ですが、「ゾーン30」では、区域を定めて速度規制を実施することで、対象区域内の道路に30km/hの速度規制が適用されるのです。
また、30km/hが規制速度になる理由については、クルマと歩行者が衝突した場合、速度が時速30km/hを超えると、歩行者の致死率が急激に上昇するためとしています。
この「ゾーン30」は、交通量や交通事故の発生状況などをもとに、警察が道路管理者や地域の住民と協議・調整して決定。それ以外にも地域の住民からの要望を踏まえて整備の必要性等を検討して決定する場合もあります。
生活道路が集まった区域に通学路が含まれている場合に、通学路の安全対策上も有効であるともされ、「ゾーン30」を整備することが多いのです。
また、住んでいる周辺の環境が「ゾーン30」に該当しない場合でも、利用しているクルマの速度が高く危険と感じた場合には、規制速度の見直しを要望することもでき、問合せについて警察庁は次のように話します。
「近隣住民などからの要望があれば、必要に応じて当該最高速度規制を実施する箇所周辺の道路や交通安全施設などの設備状況に加えて、交通流・交通量の交通状況、道路利用者のニーズに変化があるか否の確認を行ないます。
その上で、現在の交通規制と実態が合わなくなっていた場合には、必要な見直しを実施することになります。変更の要望については、当該の道路を管轄する警察署または都道府県警察本部へご相談ください」
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交通事故を防ぐために、クルマ自体の安全性能を自動車メーカーが改善し、交通インフラや安全対策については、国や警察がさまざまな取組みを行っています。しかし、全国隅々までの危険箇所を把握しきれていないのが現状ということもあり、ユーザー自身が危険な箇所の改善を要望することも「交通事故の減少」に繋がるといえます。
【了】
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