初代シーマは超えられない壁!? 偉大だったクルマ5選
何代にも渡って販売されるクルマは代を重ねるごとに、より良いクルマに進化しています。しかし、中身は良くなっても、初代の評価を超えられないクルマもあります。そこで、初代が偉大だったクルマを5車種ピックアップして紹介します。
偉大な初代を超えるのは大変?
長い歴史を持つクルマは、その間に何度もモデルチェンジを繰り返し、性能や安全性も進化しています。
一方、クルマの見た目や中身は良くなっても、初代の評価を超えることが難しい場合もあります。そこで、これまでに販売されたクルマのなかから、初代のインパクトが大きかったモデル5車種をピックアップして紹介します。
●マツダ(ユーノス) 「ロードスター」
バブル景気が絶頂を迎えた1989年、マツダが展開していた5ブランドのひとつ「ユーノス」から初代「ロードスター」が発売されました。
当時、国内で販売されていたオープンカーは、ほぼ輸入車が締めており、国産車のスポーツモデルは皆無でした。
そうした状況で発売されたロードスターは、オープン2シーターという用途が限定されるクルマながら、軽量高剛性なボディで軽快に走ることができ、価格も170万円台と安く抑え、手軽に乗れるスポーツカーとして大ヒットします。
オープンカー好きが多いアメリカでも、当然のように大ヒットを記録するなど、世界的に「ロードスター」は受け入れられました。
また、マツダが目指した「人馬一体」というコンセプトにより、110馬力と平凡なパワーながらも、それを補うのに十分なほど優れたハンドリングを実現。デートカーとしてだけでなく、走りを重視するユーザーにも受け入れられる存在となりました。
ロードスターの成功を受け、後にポルシェやメルセデス・ベンツ、BMW、トヨタ、ホンダといった欧州メーカーや国内メーカーも、コンパクトなオープン2シーターを続々と発売するという一大ムーブメントにまで発展します。
現在販売しているロードスターは4代目ですが、初代のコンセプトをしっかりと受け継いでいます。
●スバル「レガシィ」
4WDを悪路の走行ではなく、乗用車に搭載して舗装路でも安定して走行できるという使い方を確立したのは、国産メーカーではスバル「レオーネ」、海外メーカーではアウディ「クワトロ」によるものです。
そのスバルも元々は雪道や砂利道などの、悪路走破性を高める目的で開発されていましたが、この「レガシィ」の登場で新時代の4WD車として認知されます。
トップグレードでは200馬力を発揮するパワフルな2リッター水平対向4気筒ターボエンジンを搭載。その高い性能をアピールする目的で、テストコースによる10万km連続走行の速度記録を樹立するなど、速さが際立つセダン/ワゴンの代名詞となりました。
初代のボディサイズは5ナンバーサイズに収まり、日本での使い勝手の良さもあって、大ヒットします。時代背景としてスキーブームもあり、とくにワゴンは高速道路から雪道まで難なくこなすオールラウンダーとして人気に拍車をかけました。
現在のスバルは4WD車をメインに販売しており、ラインナップも充実していますが、その礎になったのが初代「レガシィ」成功ではないでしょうか。
●ホンダ「ステップワゴン」
バブルが弾け一気に景気が悪化した1990年代中頃「三菱がホンダを買収するのでは」という噂がありました。
ホンダのメインバンクが三菱銀行(当時)だったこともあっての憶測でしたが、そんな噂が立つほどホンダの国内販売は低迷していたということです。
しかし、そんな状況を打開した大ヒット作が、1996に発売された初代「ステップワゴン」です。
すでに「オデッセイ」というミニバンがありましたが、3ナンバーでやや大柄でしたし、後部ドアは横開きでした。
一方ステップワゴンは5ナンバーサイズに収まり、室内長が長く室内高く、広い室内空間を実現。後部ドアも片面のみのスライドドアとして、子育て世代のファミリー層にターゲットを絞ります。
さらに3列シート車が179万8000円(東京価格:消費税含まず)からと、かなり戦略的な設定となっていました。
これらが相まってステップワゴンは大ヒットを記録。ホンダの財務状況も好転します。
現行のステップワゴン5代目になりますが、原則5ナンバーサイズを維持するなど、初代のコンセプトを継承しています。
いまのホンダは「ミニバンメーカー」と揶揄されることがありますが、ステップワゴンの発売によってホンダの「ものづくり」は救われたといっても過言ではないでしょう。
バブル期の車は今の車よりも安全面の基準が緩いので、色々な所にコストをかけられたのかもですね。景気が上向きで良いものを求めていた時代ですね。