2世代ヒットは難しい? 先代爆売れでも次期型が低迷する理由とは

なぜ爆売れの次はコケる? その理由とは

 さらに例を挙げると、マツダ 2代目MPVも3代目に代わり販売台数を低迷させたクルマです。2代目MPVは国内初採用の両側スライドドアと、使い方で自由にアレンジできる「からくりシート」などがウケ、一躍ヒットモデルになりました。

 また、他社では考えられない大幅な値引きも売れた理由にあります(下取り額は悲惨でしたが)。

マツダ 2代目MPV

 2代目MPVは2回のマイナーチェンジを行い好調な販売を維持しますが、モデルチェンジ後の3代目では販売台数を低迷させます。ミニバンにユーティリティが求められるようになっていた時代に、走りを意識したパッケージングに舵を切ったことが大きな敗因です。

 これまでに挙げたクルマがヒットした理由は、「今までになかった全く新しいコンセプトを取り入れた」ことです。しかし、他メーカーがヒット車を出せばそれに追従するメーカーが出てくるのも自然なこと。

 大ヒットしたクルマがフルモデルチェンジで販売台数を低迷させてしまう理由は、ユーザーの選択肢が他メーカー車にも広がってしまうことが大きな原因なのです。

 そのほかにも、現行モデルもそれなりに売れているのに、先代モデルが売れすぎた為に目立たなくなってしまう場合もあります。これは、現行型のトヨタ プリウスなどに当てはまります。

 先代型プリウスは2012年に年間販売台数31万7675台という爆発的ヒットをしました。しかし、現行型プリウスも2016年に22万5066台という販売台数を叩き出しており、同年の登録車販売台数一位となっています。十分売れているのに売れていないと感じるだけの錯覚なのです。

 フルモデルチェンジで残念な結果を招いてしまうクルマもありますが、フルモデルチェンジをしても好調な販売を維持し続ける、ホンダの「フィット」や「N-BOX」のようなモデルもあります。

 正常進化でありながらユーザーの心を捉え続けるクルマを作るのは容易なことではありませんが、それを実現したクルマもたくさんあります。フルモデルチェンジで先代モデルを超える販売台数を実現したクルマを作る為には、ユーザーニーズを的確に捉える市場リサーチ力が必要だといえます。

【了】

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Writer: くるまのニュース編集部

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