ガソリン・ディーゼル・ロータリー 内燃機関のエンジンにはどんな種類がある?

電動化が進む昨今だが、内燃機関の未来はまだまだ明るい!

ロータリーエンジンはレンジエクステンダー(発電機)への活用が期待されている

ロータリーエンジン

 ロータリーエンジンは、ガソリンを燃料としたレシプロエンジンの実用化から約90年遅れて登場したエンジンで、開発当時は夢のエンジンとして期待されていた内燃機関です。レシプロエンジンはピストンの往復運動を回転運動に変換させる必要があるのに対し、ロータリーエンジンは三角形のローターがハウジング内を回転することによって直接回転運動を生み出します。

 1957年に初めて実用化されたロータリーエンジン(ヴァンケルエンジン)は、1967年にマツダによって量産化され、コスモスポーツに搭載され話題となりました。軽量コンパクトでハイパワー、そして滑らかな回転フィーリングは多くの人を虜にしたのです。

 出力軸1回転あたりの燃焼回数がレシプロエンジンと比べて2倍となるため、同じ排気量でも出力が高いことも特徴のひとつですが、燃焼室の密閉がレシプロエンジンに比べて不利なことや(オイルをシーリングに使うので、オイル消費も多い)、表面積の大きい燃焼室のため熱効率が低いことで燃焼安定性が悪く、燃費が悪いなどの問題点もあります。

 約50年ものあいだ人々を魅了してきたロータリーエンジンですが、2013年に最後のロータリーエンジンを搭載したクルマ、マツダ「RX-8」が販売終了となったことで歴史の幕を一旦閉じました。

 しかし、2018年10月2日に行われた「マツダ 技術説明会 2018」のなかで、ロータリーエンジンを使ったレンジエクステンダーEVを2020年に発売する予定だと発表しています。夢のエンジンであるロータリーエンジンは、発電用エンジンとして新たな可能性を秘めており、これからも次世代へと引き継がれていくエンジンなのです。

ハイブリッドシステム

 ハイブリッドシステムは、前述した3種類の内燃機関に電気モーターを組み合わせることによって、その両方、もしくは片方の動力を使って車軸を回転させるシステムです。

 ハイブリッドシステムの特徴は、燃料あたりの走行距離を伸ばせることにあります。内燃機関のエンジンは加速の時に一番燃料を必要とするので、その部分をモーターが積極的にアシストすることで、エンジンの燃料消費を抑えることができます。また、モーターならではのスムーズでトルク感のある加速特性も魅力です。

 トヨタなどが採用するストロングハイブリッドはモーターのみで走ることもできるため、静粛性や環境性能がとても優れていますが、ガソリンエンジンよりも部品点数が多くなることから車両価格が高くなってしまう傾向にあります。

 これからさらに普及していくであろうハイブリッドシステムですが、モーターの製造に必要な資源や大容量バッテリーの確保、またそれらの廃棄方法など、まだまだ問題は山積みなシステムであるともいえます。

 クルマのハイブリッド化、そして電動化が進む昨今ですが、内燃機関の開発はまだまだ各メーカーで行われており、当分無くなる事はないはずです。もしかしたら、これまでにない全く新しいタイプの内燃機関が登場する可能性だって十分にあります。

 回転が上がるにつれて湧き出るようなパワーフィール、そして官能的なサウンドは内燃機関ならではの醍醐味です。まだまだ現役の内燃機関がこれからも長く活躍できるように、革新的な技術が登場する事に期待が高まります。
 
【了】

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