なぜ同じ顔に? 各社のフロントデザインイメージが統一されていく理由
デザイン統一化にみるグローバル戦略
海外においては、BMWは1930年代から全車種に『キドニーグリル』を採用。その後、各国の主要自動車メーカーでは続々とデザインを統一化する流れとなっていました。
国内メーカーでは、それぞれの車種におけるフロントデザインの統一化が2010年頃から始まります。とくに、大きな流れを作ったのがマツダの『魂動デザイン』です。
この『魂動デザイン』とは、部分的なパーツやモデル毎ということではない、マツダのラインナップにおけるデザインテーマとなっています。なぜ、マツダは全モデルにおいてデザインを統一化したのでしょうか。
『魂動デザイン』について、マツダは次のように話します。
「マツダの『魂動デザイン』とは、『生物が見せる一瞬の動きの強さや美しさを』表現したものです。採用した理由には、マツダブランドを訴求するためにモデル個々のデザインを最適なものにするのではなく、『マツダデザイン』とすることで、ブランドを訴求していく狙いがありました。
2012年の初代『CX-5』から、コンパクトカー『デミオ』、フラッグシップモデル『アテンザ』、スポーツカー『ロードスター』、フルサイズSUV『CX-8』などに採用されています」
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このように、各社のデザインは単純な外観上の話だけに留まらず、『ブランド訴求』といったメーカーの方向性を示すものだったのです。
大手自動車メーカーの関係者は、『デザインの統一化』について次のように話します。
「日本の自動車メーカーは、いままで国内をメインの市場に捉えていましたが、市場の縮小化や海外市場での販路拡大を目指した際に、世界的な戦略を視野に入れ始めます。
なぜ、統一化をするかといえば、ブランド認知の低い海外市場において、ひと目で見分けることができないモデルは購入候補に入りません。
そのため、デザインを統一化することでブランドの認知を図っているのです。とくに、アジア圏では『ブランド認知』が高いほど市場のシェアも多くなる傾向にあります」
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しかし、国内においては逆の考えをもつユーザーも少なくありません。『顔が同じだと個性がない』『フラッグシップモデルとエントリーモデルが同じようなデザインだと価格的な差別化がない』という声も聞こえます。
そうした要因もあり、国内で大きなシェアを誇るトヨタなどは、一部車種のみでデザインを統一しているのかもしれません。
【了】
こんなの今に始まった話じゃないでしょう。
日産なんかティーダ・ブルーバードシルフィ・ティアナ・フーガで前も後ろも全く同じ顔だったし、
トヨタもカローラとマークⅡは全くの相似形でした。