ボルボの名車を蘇らせる”クラシックガレージ”とは? 懐かしの「P1800 ES」や「940」でタイムスリップ

ボルボ・カー・ジャパンは、クラシックカーのメンテナンスや販売を行う「クラシックガレージ」に取り組んでいます。今回はクラシックガレージが手掛けた名車「P1800 ES」「940」に試乗しました。

クラシックボルボに長く乗るための取り組み「クラシックガレージ」とは?

 昔のクルマを眺めてみると、今よりもっとダイナミックなデザインで描かれていたり、自由な発想でクルマづくりが行われていたりして、ちょっとした驚きが感じられるものです。

左:ボルボ「940」(1996年式)/右:「P1800 ES」(1973年式)

 その時代の空気とか、独特な個性を放つモデルが多いことに気が付かされることも少なくありません。

 北欧・スウェーデンの自動車メーカーとして知られるボルボですが、クラシックボルボを愛するオーナーさんたちから、「古いクルマを大切に乗り続けるために、サポートして欲しい」という声が上がっていたそうです。

 これまで、ボルボ車を扱う民間の整備工場があったのですが、店主が高齢になって途絶えてしまうお店もあったそう。ボルボ・カー・ジャパンは、そうしたオーナーの要望に応える形で、2016年8月に「KLASSISK GARAGE(クラシックガレージ)の取り組みをスタートしました。

 クルマは長年乗り続けると、各部のパーツが消耗したり、経年劣化で痛んでしまったりするものですが、ボルボ クラシックガレージでは、消耗品を新しいパーツに交換して当時の姿に蘇らせたり、健全に走れるコンディションを維持するためにメンテナンスを行っています。

 実際には、ボルボ・カーズ東名横浜の店舗の一角で作業が行われていますが、2016年は38台、2年目は81台、3年目は95台が入庫しました。

 オーナーズクラブのみなさんが自発的に勧めてくれていることで入庫するクルマも増え、メンテナンスを受けるモデルは増加。ビンテージカーを実用的に乗れるレベルに修復するケースをはじめ、「いくら掛かってもいいから修復して欲しい」というオリジナルにこだわる熱心なオーナーさんもいるそうです。

 歴史に名を残す名車が活き活きと走れる状態に生まれ変わっていくのは、嬉しいものです。

本国からの取り寄せや3Dプリンターでパーツを入手

 クラシックガレージの責任者を務める阿部昭男さんは、ボルボ・カー・ジャパンで技術サポートを行ってきた、この道34年のエキスパートです。

ボルボ「P1800 ES」の内装

 ボルボの本拠地であるスウェーデンには、年間50万台規模でクラシックボルボのメンテナンスを行う部署があるそうですが、そうした本社とのネットワークを活かして相談に乗ってもらいながら、パーツを取り寄せることもあるようです。

 日本におけるプロジェクトは動き出してみなければ分からない部分もあったとのことですが、純正パーツは思いのほか入手できることが分かり、走る上での重要保安部品となるブレーキ周りのパーツ、経年劣化が著しいゴム類などは、耐久テストを行った純正品が手に入るので、当時の乗り味に近づけることができるそうです。

 また、すでに発売から26年を迎える「240」に至っては、灯火類の需要が多かったそうですが、現在は3Dプリンターの台頭によって再生産が行える体制が整い、保安基準に適合する新品が手に入るようになったということです。「240」は保有台数が多い人気モデルだけに、フォローの態勢が整っているのは頼もしいところです。

 何より、数多くのボルボ車のメンテナンスを手掛けてきた経験豊富なスタッフが相談に乗ってくれるので、安心感も高まります。彼らは、新車当時から膨大な数のボルボ車を扱ってきているので、ウィークポイントにも詳しく、劣化する箇所を想定して予防整備を行うこともできるのです。

 それでいて、メンテナンスの価格が高くなりすぎないように配慮しているのもポイントです。ボルボ・カー・ジャパンはボルボの輸入元として、安心して乗れる品質の高いクラシックボルボを適正価格で再販する基準を作っていくとしています。

ボルボワゴンの名車「940」「P1800 ES」の画像を見る(38枚)

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