「ランエボ」譲りの四駆も搭載した三菱SUVの雪上での走破性は? 冬の北海道で試す

雪上でヤンチャな走りも楽しめる「エクリプスクロス」

 しかし、どんなパワートレーンでも違和感のない気持ちの良いドライビングを叶え得るように、それぞれにはそれぞれの違ったシステムを備えているのがまた、三菱の技術オタクっぽさがいい意味で最高に生かされている部分でもあります。

三菱「エクリプスクロス」

 今回用意された3台は異なるパワートレーンを備えているのですが、一番ヤンチャだったのは「エクリプスクロス」でした。

 1.5リッター4気筒ターボエンジン×8速スポーツモードCVTの「エクリプスクロス」には、電子制御の四輪駆動システムが搭載されています。

 前後輪間トルク配分には電子制御カップリング、左右輪間トルクベクタリングにはブレーキを使うアクティブ・ヨー・コントロールが、そして四輪ブレーキ制御にはABS&ASCが使用されています。

 このS-AWCがとりわけスポーツ方向を見てセッティングされていることから、摩擦係数の低い雪道では、一般道試乗からしたら計り知れないピーキーさをチラつかせ、程よいテールスライド量でドリフトを楽しませてくれるなど、取材陣の格好のオモチャになっていました。

 しかしご安心いただきたいのは、走行モードがきっちり用意されているので、もし怖い思いをしたくなければ、きちんと路面に合ったモードさえ選択すれば良いのです。

 「エプリプスクロス」には、「オート」「グラベル(砂利道)」「スノー」が用意されています。これに、エンジンを掛けた時点ではデフォルトでオンになっている横滑り防止装置「ASC」があれば怖いものはありません。

スノースポーツに最適な「アウトランダーPHEV」

 それから「アウトランダーPHEV」です。以前から、電気は制御を自在に設定できる、を武器に、雪道でも圧倒的な走破性を誇っていた「アウトランダーPHEV」は2018年にマイナーチェンジを受けましたが、この改良で走行モードに「スノー」と「スポーツ」が追加されました。

三菱「アウトランダーPHEV」

 2.4リッターエンジンにモーターを備えたプラグインハイブリッドである「アウトランダーPHEV」には、電子制御4WDシステムが搭載されています。

 ですから、「アウトランダーPHEV」のS-AWCは前後輪間トルク配分はツインモーター4WDとなるわけですが、謳い文句の通り、どのモードでも明確に制御が変わります。

 そもそもモーターのおかげで鮮烈なトルクを持つ同車ですから、雪道でガツンと加速されてしまったらたまりません。トラクションがかからず、タイヤが空転してしまうでしょう。

 そんなときの「スノーモード」は、何気なくいつもどおりにアクセルを踏んでも、きちんと路面に合わせてふんわりと加速してくれますし、たとえタイヤが空転しても、その瞬間にトルク配分を前後輪に行ってくれます。

 もっというなら、プラグインハイブリッドですから、電源のコンセントがラゲッジルームに備えられているなど、もっともスノースポーツ向けのパッケージではないかと感じました。

 反して「スポーツモード」これはもう、宇宙船です。スペースシャトルです。瞬時にギャッと加速しますから、雪道ではオーバースペックすぎて怖かった(涙)。それくらい派手なモードでした。

ミニバンでこの走り!想像のはるか上を行く新型「デリカD:5」

 最後にご紹介する新型「デリカD:5」は、想像のはるか上方を行く仕上がりの良さです。正直、コレに関してはあまりに惚れすぎているため、ベタボメしかできないくらい。

三菱新型「デリカD:5」

 オンロードでも素晴らしかった「デリカD:5」の走りは、オフロードコースでも最高の信頼性でした。

「デリカD:5」の四駆はSが付かないAWCですが、電子制御4WDに「エクリプスクロス」と同じヨーレイトフィードバック制御を採用しています。

 眼の前に立ちはだかる雪の壁をワシワシとのぼっていくさまを、なんと表現したらいいでしょう。しかもコレでミニバンなんです。

 とくに悪路では、ミニバンのように箱型で開口部の多いクルマにはありがちな“リアのヨレ、ねじれ”が、新旧比較でも驚くほどの進化を見せていました。リアがシュッと付いて来るから、ドライバーはハンドルを切り戻したり修正打を当てたりしなくて済むし、大事な後部座席の乗員も、揺り返しで車酔いしたりすることも少ないでしょう。

 ここまで出来る、走れるミニバンは世界を見渡しても他にありません。自分が家族持ちだったら絶対にコレを買います。

 ドライブモードは2WD、4WD AUTO、そして4WD LOCK。普通程度のスキー場に向かうくらいの雪道なら、4WD AUTOで十分です。街乗りでは2WDでエコに行けるのも嬉しいですね。

 さて、最後に、こういった走りの進化は実は三菱の技術力を以てすれば想定内。最近の三菱のすごさは「内装の質感が飛躍的に上がったこと」!これはもう、大拍手モノですから、こちらもぜひ細かくチェックしてみてください。

【了】

圧倒的な悪路走破性を誇る三菱の本格4駆SUVを画像で見る(24枚)

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