渋滞緩和やぼんやり運転を防止 トンネル内に備えられた照明の役割とは?
ぼんやり運転防止の「アクセント照明」や渋滞を緩和する「ペースメーカーライト」とは?
近年、トンネル内には、安全性や渋滞緩和を目的とした新しい照明技術が導入されています。こうした設備はどのような目的があり接地されているのでしょうか。
──2018年10月に初めて設置された「アクセント照明」の効果と、現在の設置個所数や今後の展開について教えてください。
アクセント照明は非常駐車帯部においてトンネル壁面をスポット的に照らし、走行景観にアクセントをつけることで漫然運転防止(ぼんやり運転防止)を図るものです。
現在の設置場所は、道東自動車道/むかわ穂別IC~占冠IC間の4トンネル(長和TN、穂別TN、占冠TN、タンネナイTN) 及び、後志自動車道/余市IC~小樽JCT間の3トンネル(蘭島TN、天狗山TN、天神第二TN)で、今後は設置後の状況を観察していきます。
──渋滞緩和を目的として取り入れている「エスコートライト」の効果と、現在の設置個所数や今後の展開について教えてください。
発光体により速度回復を促す渋滞対策は高速道路各社で行われており、NEXCO東日本では「ペースメーカーライト(以下、PML)」と呼んでいます。この渋滞対策は、首都高速道路では「エスコートライト」、NEXCO中日本では「ベクション」等と各社で呼び名が異なります。また、NEXCO東日本では現在、以下にPMLを設置しております。
・東京湾アクアライン 川崎浮島JCT~海ほたるPA 上り2ヶ所、下り1ヶ所
・京葉道路 貝塚IC~千葉東JCT 上下線各1ヶ所
・東京外環道 松戸IC~市川北IC 外回り/内回り 各1ヶ所
・東京外環道 京葉JCT~市川南IC~高谷JCT 外回り1ヶ所
東京湾アクアラインの川崎浮島JCT付近(上り線)における渋滞緩和効果として、PML導入前(H24年8~12月)と導入後(H25年8~12月)を比較すると、休日交通量は5%増加しているのに対し、要因となる箇所の渋滞量は64%減少、路線全体の渋滞量も21%減少と、高い効果を確認しております。
ただ、当該路線はこれ以降も交通量の増加が継続しており、これに伴い渋滞も増加しているところです。今後も最新の交通状況を踏まえ、各種対策との兼ね合いを考慮しながら展開に向け検討する予定です。
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単なる視界確保としての機能だけでなく、「ぼんやり運転防止」や「渋滞対策」など安全性や円滑な交通環境を目的とした「トンネル照明」が今後どのように発展していくのか、期待が掛かります。
【了】