渋滞緩和やぼんやり運転を防止 トンネル内に備えられた照明の役割とは?
一般道、高速道路問わず、多くのトンネル内には照明が備えられています。一見するとこうした照明は視界の確保のためだけに設置されているように思えるかもしれませんが、じつは意外な役割が隠されていました。
場所によって違うトンネル内の照明、何のため?
一般道や高速道路では、山や丘陵などの障害を回避するためトンネルを設けるケースがあります。そのトンネルの多くには、視野の確保や障害物の認知などのために照明が設けられていますが、現在ではその技術も進歩し、より高度な照明技術が用いられています。
ここではトンネル照明を設置する理由や、最新の設備について、高速道路の管理運営・建設事業を行っているNEXCO東日本広報課に聞いてみました。
トンネル内の照明の主流は家電と同じくLEDに
──トンネルの入り口と内部では明るさが違う場所がある理由と、何メートル以上のトンネルで実施するのかの規定もあれば教えてください。
人の目は明るいところから暗いところへ入ると目が慣れず視覚を奪われてしまうため、トンネルの入り口部は暗順応を考慮しトンネル内部より明るくしております。トンネルの照明は、原則、50m以上のトンネルに整備しております。
──トンネル内のライトにオレンジ照明が多いのはなぜですか。
オレンジ色の照明(以下、ナトリウム灯)は、現在主流となっているLED照明や蛍光灯照明が開発される以前に主に使われていた照明です。当時あった照明のうち、ナトリウム灯が同じ電気量で明るかったこと、設置に要するコスト等も勘案して採用しておりました。現在でも多数のトンネルで使用されておりますが、更新などを行う場合にはLED照明への取替えを行っています。
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トンネル内に備えられた照明には、トンネルに接近した際に入り口が黒く見える「ブラックホール現象」や、出口付近が真っ白に見える「ホワイトホール現象」を防ぐ重要な役割がありますが、その主流も現在ではLEDへと移行しているようです。