質実剛健!個性を抑えた個性! フォルクスワーゲン「アルテオン」
VW「アルテオン」は、フォルクスワーゲンの最上級モデルに位置付けられています。肩肘張らずゆったりと乗員を包み込む懐の深さは、アルテオンの個性!
エレガントな雰囲気と発音に戸惑う車名のミスマッチがたまらない
「VWアルテオン」この名を聞いて内容を説明できる読者の方は、かなりのクルマ通と言えるでしょう。多くの方が、この聞きなれないこのクルマの名を耳にして、「?マーク」を浮かべるのではないでしょうか。
実際に試乗会場で対面したとき、欧文でのエンブレムを見て、はっきりと発音するのに戸惑いました。「Arteon」をカタカナで表記するならば「アルテオン」となります。
アルテオンは、VWの最上級モデルという立ち位置です。VWシリーズには、正統派セダンのパサートがラインナップされていますが、アルテオンはその誠実なイメージを壊さない範囲で、車格を引き上げ、エレガントな雰囲気を発散させているのです。
パサートは、全長4780mm×全幅1855mm×全高1534mmです。一方のアルテオンは、パサートよりも全長が85mm長い4865mm、全幅は20mm幅広く1875mmに達します。それでいて全高は逆に、100mmも低く、1435mmに抑えられています。このディメンションから想像できるように、前後に長く幅広いことで立派な車格を得ていながらも、全高は低い。つまりスタイリッシュなボディフォルムを得ているのです。
ちなみに、前後のタイヤの間隔はパサートが2790mmであるのに対してアルテオンは2835mmもあります。ホイールベースと呼ばれるその間隔が広いことは、クルマの安定性に貢献するばかりではなく、広い室内空間が得られるというメリットがあるのです。パサートよりももっと広々とした室内空間になったというわけです。
試乗車は「TSI 4モーション・エレガンス」です。4モーションはVWの4WDを意味する記号です。「エレガンス」は、すでにデビューしている「Rライン」よりも高級な仕様であることを意味します。ちなみにRラインはVWの中でのスポーティな仕様です。「エレガンス」が設定されてことで、アルテオンのラインナップは、スポーティ仕様と高級感溢れる仕様とが揃ったことになります。