なぜ後を絶たない? 「燃料の入れ間違いトラブル」が1ヶ月で約400件も発生

後を絶たない「燃料の入れ間違いトラブル」、JAFへの救援要請は1ヶ月間で約400件にものぼります。なぜ、こんなにも入れ間違えてしまうのでしょうか。

「燃料の入れ間違い」には要注意!

 普段、乗り慣れないクルマに乗った際、給油時に「このクルマはレギュラー? ハイオク?」と悩むことがあります。同じガソリンなら出力低下などで済みますが、ガソリン車に軽油を入れてしまった場合などは最悪の場合、エンジンが壊れるなど思わぬトラブルとなってしまいます。燃料の入れ間違いを避けるにはどのようなことに気をつければ良いのでしょうか。

給油前には必ず「油種」の確認を!

 ガソリン車に軽油を入れた場合、 最初の症状としてエンジン出力が低下し、加速が鈍くなります。 そのまま走り続けてエンジンへ供給される燃料が100%軽油だけになると、 黒い排気ガスが出てやがてエンジンが停止してしまいます。

 また、ディーゼル車にガソリンを入れた場合では、ガソリン車と同様にエンジン出力が低下していくとともに、アイドリングが不安定となり、排気ガスは白くなってきます。

 万が一、燃料を入れ間違えした場合は、クルマを走らせず燃料を抜き取り、正しい燃料を入れなおすことが必要となります。実際に燃料の入れ間違えがどのくらい発生しているのか、ロードサービスなどを行っているJAFによると、2018年12月1日から31日の1ヶ月間に、「燃料を入れ間違えた」と要請があった件数は、全国で390件あったといいます。そのうち「一般道」では373件、「高速道」では17件とのことです。

 ちなみに、JAFに救援依頼要請をした人たちの多くは、 「会社のクルマや代車などで、自分の車ではなかった」「うっかり間違えてしまった」「軽自動車は軽油だと思った」といった 勘違いや思い込みにより、入れ間違いトラブルに繋がっているようです。

「燃料を入れ間違えした場合、噴射ノズルや燃料ポンプの交換が必要になる可能性も。軽油とガソリンの混合比によっては、入れ間違い後の症状に差がありエンジン始動が不可能になる場合もあります」(JAF)と説明します。

 有人のガソリンスタンドでは、スタッフが給油を行ってくれるため、「入れ間違い行為」は起こりにくいですが、セルフ式ではどのような対策が取られているのでしょうか。

 大手ガソリンスタンドを展開する石油元売り会社は次のように話します。

 「セルフタイプのガソリンスタンドでは、『燃料の入れ間違い』を防ぐため、基本的に給油ノズルの色を『レギュラーガソリン(赤色)』『ハイオクガソリン(黄色)』『軽油(緑色)』と定めています。

 また、普段乗りなれていないクルマで、セルフ式を利用する場合は、必ず『燃料の種類』を確認してください。燃料の種類は、取扱説明書などに記載されています」

※ ※ ※

 また、NEXCO西日本がアナウンスしている全国のガソリンスタンドマップによると、「全国の高速道路上では、東海地方や九州地方に比較的多くのセルフ式タイプのガソリンスタンドが存在」していることがわかります。レンタカーなどで遠方に出かける際は、事前に燃料の確認をしておくなど細心の注意が必要です。

 後を絶たない「燃料の入れ間違いトラブル」について、JAFは「エンジン始動前すぐに正しい燃料を入れ替えれば大きな問題はありませんので、 入れ間違いに気づいたらJAFに連絡するなど、すみやかな対処をお願いいたします」と注意を呼びかけています。

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