大手国策企業と民族系がしのぎを削る 中国自動車メーカーの特徴と自動車市場の今

まだまだ成長中の巨大市場 中国の人気ブランドと産業振興の政策

企業別とブランド別の中国市場における自動車販売台数

 日本の5.5倍、そしてアメリカの1.6倍……これは中国における1年間の自動車の販売台数です。日本524万台、アメリカ1723万台、中国は2930万台となります。

 しかも中国では、環境対策や渋滞対策のため、新規ナンバー取得に厳しい制限を掛けている地域もあるなど、販売台数を抑制する政策を採っています。北京在住の知人に聞いたところ、ガソリン車のナンバーを取得するのに5年かかったそうで、それでも長い方ではないと言います。

 逆に言うと、そうした政策にもかかわらず毎年3000万台近く売れているということであり、「ひとり当たりの保有台数の低さや、GDPの伸びしろから見てもまだまだ伸びる」(中国トヨタ総代表 小林一弘専務役員・2018年北京モーターショーにおいて)という意見も納得です。

 それほど巨大な中国市場ですが、どのような自動車メーカーが人気で、どんなクルマが売れているか、ご存知の人は少ないのではないのでしょうか。

 例えば、中国でいま一番売れている自動車ブランドは「一汽大衆」、2位が「上海大衆」(2018年1Q集計値)です。この名前を見て、どんなクルマなのか思い浮かぶ方は少ないでしょう。日本人には知られていないブランドのクルマが、年間に何百万台も売れているのが中国市場なのです。

 それではなぜ、このような特異な巨大市場ができあがったのか、その背景には、自国の自動車産業を起ち上げ、育てようとした中国の政策がありました。

 中国においては、外資自動車メーカーが単独で自動車メーカーを設立することができないため、中国の自動車メーカーと合弁会社を設立し、その会社で製造販売をするというルールがあります。

 これは、中国の自動車メーカーが、合弁相手の外資メーカーのノウハウを吸収することで、自国の産業育成につなげようとする狙いがあります。

 そして外資との合弁会社は、基本的に提携先の車両を生産・販売しています。例えば上海大衆ブランドのクルマは、フォルクスワーゲンのモデルを現地生産したもの、ということになります。

 一汽大衆も同じです。つまり上海大衆と一汽大衆は、フォルクスワーゲンのモデルをそれぞれ別の会社で作って売っている、ということになります。

 これはフォルクスワーゲンだけではなく、トヨタやホンダも複数の合弁先を持っており、それぞれの合弁会社で同じクルマを作っています。

 このような外資との合弁会社によって現地生産された「外車」が、中国市場の一大勢力となっています。

【了】

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