普及進む「タイヤパンク応急修理キット」4割のユーザーが使用方法把握せず 有効期限切れで使用不能の恐れも
タイヤパンク時の応急手段といえば、かつてはスペアタイヤが主流でしたが、現在販売されているクルマでは緊急対応時用の装備として応急修理キットを採用する車種が増えています。
パンク応急修理キットの使用方法4割のユーザーが「知らない」と回答
近年販売されているクルマで多く採用されている「タイヤパンク応急修理キット」は、タイヤとホイールひとつ分の重量を減らすことで燃費の向上が図れるほか、積載スペースの確保に繋がるなど多くのメリットがあります。そのため、以前のような「スペアタイヤ」を装着する車種が減り、タイヤパンク応急修理キットの装着車が増加しています。しかし問題点も指摘され始めました。
国民生活センターが国内の自動車メーカー8社(トヨタ/ホンダ/日産/マツダ/三菱/スズキ/スバル/ダイハツ)に対し行ったアンケート調査によると、2018年11月30日時点での全車種・全グレードでの調査では、8 社中、全社で応急修理キットしか設定のない車種があり、応急修理キットかスペアタイヤを選択できる車種があるのは、8社中4社という結果になっています。
こうしたことからも、近年では緊急対応時用装備として応急修理キットが、広く普及していることがわかりますが、同センターが消費者へ行ったアンケートによると、4割以上の人が「所有している車両に付属している緊急対応時用装備の内容を知らない」という結果になりました。
また、従来の主流であった「スペアタイヤ」の交換方法を知っているユーザーは8割を超えていますが、「自分で所有している車両の装備内容が応急修理キットと把握している」人のうち、その使用方法を知っている人は約6割程度、知らない人が約4割を占めています。
約7割のユーザーが「パンク応急修理キットの説明受けたことがない」と回答
国民生活センターは、スペアタイヤ交換と応急修理キットの作業経験についても調査していますが、スペアタイヤの場合には経験が「ある」と答えた人が5割を超えてるのに対し、応急修理キットでは「ある」と答えた人は1割を切る結果となりました。
また「自分で所有している車両の装備内容が応急修理キットと把握している」人のうち、「使用方法の説明を受けたことがない人」は7割を超えているため、今後は販売店などでより明確な説明を行う必要があるでしょう。
全国でロードサービスを展開するJAFの2017年度の調査によると、パンクによる出動は、バッテリーのトラブルに次ぐ2位と非常に多くなっています。スペアタイヤの場合には空気圧を、応急修理キットの場合には使用期限を確認するなど、日ごろから緊急対応時用装備の点検を心がけることで、不慮のトラブルに備えましょう。
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