高速道SAでカスタムショー? 東名海老名SAで開催される「海老名オートサロン」とは
西日本にチューニング・カスタムメーカーが多い理由
海老名SAに、カスタムカーが集まってくる理由はどのようなことでしょうか。それは、簡単な話で海老名SAにはキャリアカーなど大型車でも楽に駐車できる広い駐車場があり、また出展車両の帰る先は西日本が多いということがあります。
国際カスタムカーコンテストで入賞実績のあるオートサロン出展者や海外でもその名を知られるカスタムカービルダーの本社所在地を調べてみると、その多くが愛知県以西に集中しているのです。
なぜ、西日本に多く存在するかについて、大阪のカスタムカーショップスタッフは、次のように説明します。
「気候的なものがまずはあるでしょうね。カスタムカーの基本はシャコタンです。車高が低いクルマは、雪道など走るのが大変ですから。雪が降る可能性のある地域は、カスタムカーのショップやビルダーは少ないです。あと、派手なカスタムカーは西日本の方が好まれる傾向にあります」
また、愛知県内に本社を持つカスタムメーカーは、次のようにも話します。
「静岡、愛知、大阪には、大手自動車メーカーや関連企業が集中しています。自動車がとても身近なエリアで、独特の自動車文化が育まれる環境があり、そこでは『人と違ったクルマに乗りたい』という思いが形になりやすい環境もあるでしょう。
エアロパーツなどのボディキットをオリジナルでゼロから設計することも、エンジンやサスペンションのチューニングも、かなり成熟した自動車文化の土壌があってこそではないかと思います。
自動車メーカーとカスタムカービルダーに(下請けや孫請けで部品を作っているなど)、直接の関係はなくても、オリジナリティのあるカスタムカー文化が育ちやすい土壌が西日本にはあるのでしょうね」
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カスタムが熱い西日本ですが、東京オートサロンと同様のイベント「大阪オートメッセ2019」も近々開催されます。例年、年明けには東京と大阪で盛り上がりを見せるカスタムイベントの来場者数を見ていると、日本のクルマ文化は、まだまだ勢いのあるジャンルといえそうです。
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Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。