全方位真っ白… 雪道を運転中“ホワイトアウト”に遭遇 正しい対処法とは?
雪や雲などによって視界が白一色となることで、方向や高度、地形の起伏が識別できなくなる現象「ホワイトアウト」は、安全な運転に支障をきたす可能性のある恐ろしい現象の一つに挙げられます。
前後左右、上下感覚を奪う「ホワイトアウト」
気象条件の悪いなかでのドライブは、晴天時に比べ視界不良や滑りやすい路面状況等、ドライバーにとって厳しい条件がつきまといます。なかでも雪道で起こることの多い「ホワイトアウト」は数10m先の道路状況も確認できなくなるほか、前後左右、上下感覚を奪う恐ろしい現象の一つです。実際にそのような状況下に遭遇した場合、どのような行動をすればよいのでしょうか。
記憶に新しいところでは、2019年1月17日に北海道当別町茂平沢で66歳の男性が「ホワイトアウト」のなかクルマを運転し雪山に数回衝突した後、クルマを置いて自宅に向かった結果、玄関前で倒れ死亡してしまう事故が起きました。暴風雪や降り積もった雪が強風により舞い上げられる地吹雪などによって起こる同現象は、それだけ人の感覚を奪うものです。
事故が起きた当別町の発表する防災マップの「暴風雪の心得」によると、「暴風雪に関する気象警報などが発表されたときは、外出しないことが身の安全を守る最善の対策」と記されています。また、やむを得ずクルマで外出する際には防寒具、食料、スコップの携帯を呼び掛けています。
正常な感覚を失う「ホワイトアウト」に遭遇した際には、ハザードランプを点灯させ安全な場所に停車するほか、避難できる場所がない場合には携帯電話などの通信機器のGPSをオンにし、110番することで自車の位置を伝達。一酸化炭素中毒を防ぐため、換気やマフラー周辺の除雪をしながら救助を待つことを推奨しています。
全国でロードサービスを展開するJAFは、「救援を待つ間、完全に雪に覆われてしまったら、エンジンを停止します。意外かもしれませんが雪に覆われてしまうと外気ほど温度は低下しないものです。こうした場合に備え、暖が取れる毛布などを常備しておくのが賢明です。窒息しないよう、ときには風下側のウインドウを1cm程度開けて換気を心がけ、救援を待っていただきたいです」といいます。
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雪道でのドライブは、晴天時では考えられない事態が起こる可能性があります。そうした状況下で運転する場合には装備や食料品などを車載し、万が一に備えましょう。
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