「環境・燃費」はもう不問? 「ジムニー」「GT-R」といったカスタム化が熱い理由とは

カスタムカーのトレンドは、数年毎に変化します。日産「GT-R」トヨタ「86」…そこにスズキ「ジムニー/ジムニーシエラ」が加わりました。カスタマイズのトレンドはどのように決まるのでしょうか。

カスタムトレンドは、「ジムニー」が主役に?

 昔からクルマ好きのなかには、カスタムやチューニングを好む層が多数存在し、その時代毎にカスタムトレンドやベース車となるクルマに変化があります。

 近年、カスタムカーのベース新型車に魅力あるクルマが減っているほか、燃費が悪化するチューニングにも人気の陰りが見えていました。一方で、毎年1月上旬に開催される世界最大級のカスタムカーイベント「東京オートサロン」は年々来場者数が増加しています。

スズキ「ジムニーシエラ」をベースにしたカスタムカー

 世界的の自動車業界的にも「環境問題」や「燃費問題」などにより、電動化やプラグインハイブリッド化が進み、カスタムやチューニングを施しにくくなっているのが現状です。

 ここ数年の「東京オートサロン」をみてみると、日産「GT-R(2007年)」やトヨタ「86(2012年)」の2台がカスタム・チューニングの主流です。しかし、「GT-R」は高額モデルなこともあり、実際にパーツメーカーやショップの手元に届き、企画・開発をするまでに時間が掛かるなど市販化までに時間を要していました。

 2010年以降の「東京オートサロン」では、日産「GT-R」をベースとしたカスタムカーが多く展示され、2014年以降はトヨタ「86」が主流となります。

 そして、2019年は「GT-R」「86」といった二大巨頭の牙城を崩す注目モデルが登場したのです。それが、20年振りにフルモデルチェンジを果たしたスズキ「ジムニー/ジムニーシエラ(以下:ジムニー)」です。

 2018年7月に登場した「ジムニー」は、機能性や走破性、デザイン性などで多くのユーザーが『欲しい』クルマとなり、納車まで1年近く掛かる場合もあるほど人気なモデル。

 当然、パーツメーカーやショップもこのムーブメントに乗らない訳はなく、結果として「東京オートサロン2019」には多くの「ジムニー」をベースにカスタムしたモデルが展示されました。

 移りゆくトレンドのなかで、クルマという高い買い物を商品として仕上げるには、時間や手間が掛かります。それを商品化して利益に繋げるとなると、「GT-R」や「86」をデモカーとしてウリにしていたパーツメーカーやショップは、どうするのでしょうか。

 カスタムパーツの企画・開発や販売を行うパーツメーカーは、次のように話します。

「実際に、クルマ1台の各パーツ(エアロ系・チューニング系など)を開発するには、基本的に半年から1年は掛かります。なかでも、日産「GT-R」にように注目されるクルマは、各社でオリジナルのカスタムパーツを開発するため、市販化していち早くユーザーにお披露目するのが大事なポイントです。

 開発には時間やお金が掛かるため、できればそのクルマが人気で有り続けることが重要です。そのため、余裕のあるメーカーやショップは、さまざまなカテゴリのモータースポーツに参戦して、商品の認知拡大を狙います。

 そうすれば、日本国内での需要がある程度収まっても海外で注目される商品ブランドへとなるのです。一概には言えませんが、そうすることでトレンドを作っていくことにもなります」

多様性溢れる「ジムニー」のカスタムや「GT-R」「86」の画像を見る

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