ホンダ「X-ADV」は時代を先取る大人向け2輪版SUV これを選ぶ人は“ツウ”だね

気分や状況に合わせて、操作モードを細かく選べる

 まずはATモードで走りますが、力強く加速し、さすがはナナハンと気が引き締まります。自動的にシフトアップ&ダウンされていき、お手本のような走りです。

デュアルクラッチ装備で滑らかな操作が可能

 ダッシュにダイレクト感があり、変速時の繋がりが滑らかなのは、マニュアルトランスミッションの構造をそのままにクラッチ操作を不要とした「デュアルクラッチトランスミッション(DCT)」のおかげ。通常のトランスミッションなら、駆動力の途切れが変速時に発生してしまいますが、2つのクラッチを装備(デュアルクラッチ化)し、これを解消しています。

 2つのクラッチは1-3-5速の奇数段用と2速-4速-6速の偶数段用で構成され、奇数ギヤはインナーメインシャフトで、偶数ギヤはアウターメインシャフトで繋がり、それぞれ交互に使用していくのです。たとえば2速に入っているときは、隣り合わせになる1速と3速ギヤの回転数を合わせてあらかじめ準備しておけるので、タイムラグなくスムーズな変速が可能となっています。

DCTにより走行モードを切り替えることが可能

「X-ADV」では、ATモードに標準的な走りをする「Dモード」と、よりパワフルな「Sモード」があり、追い越し時や登板時などより駆動力が必要なときに「Sモード」が重宝します。これも凝っていて、3段階のレベルが選べるという充実ぶり。エキサイティングに走るには、高回転を多用するのは「S-3」がオススメです。

 ATモードであっても、ハンドル左のシフトアップスイッチ(+)とシフトダウンスイッチ(?)でギヤポジションを一時的に変更でき、アグレシッブなスポーツライディングが楽しめます。カーブの手前でエンジンブレーキを効かせたいときなどにギヤを落とせるので、かなり役立ちました。グリップを握りながらシフトアップは人差し指で、ダウンは親指でできます。

 さらにMTモードもありますが、ATモードのままでもギヤチェンジは自在ですので、とくに出番はありませんでした。クレバーなATモードに頼りつつ、必要に応じてシフトチェンジできるので、これで不満はないのです。

充実の装備内容など、知るほどに素晴らしいと感じる!!

 車体は高速走行でもしっかりとした剛性感があり、可動するウインドシールドを上げれば防風効果もしっかり感じられました。ETC車載器をはじめ、5段階に温度設定できるグリップヒーターやシート下のトランクに12Vのアクセサリーソケットも標準装備するという、まさに至れり尽くせりの内容。

フロントウインドシールドは大きく可動する

 シティユースをメインに、休日には遠出も楽しめ、さらに未舗装路へと入っていけるなんて、ワクワクしてくるではありませんか。しかも、どのステージでもリラックスでき、まさに大人向け。これを選ぶ人、かなりのツウだと思います。

【了】

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Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。

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