軽に高性能エンジンを搭載!? これぞ羊の皮を被った狼な軽自動車5選
各社がスぺシャルモデルを用意する時代に登場した軽
●ダイハツ「ミラ X4」
ダイハツ「ストーリア」のモータースポーツベース車「ストーリア X4」は713ccから120PSを発揮する、まさに「羊の皮を被った狼」でしたが、その元祖的存在が「ミラ X4(クロスフォー)」です。「ミラ TR-XX」の4WD版という位置づけで、装備も充実しAT(TR-XX X4)も用意されていました。
1990年に発売された3代目「ミラ」ではFFの「ミラ TR-XX」というホットモデルが存在しましたが、ライバルだった「アルトワークス」は4WDだったため、対抗すべく4WDの「ミラ X4」が開発されました。
「ミラ X4」は「ミラ TR-XX」の4WD版という位置づけで、装備も充実しAT(TR-XX X4)も用意されていました。「ストーリア X4」と違い、「ミラ X4」はモータースポーツベース車ではなかったからです。
しかし、ストイックなモータースポーツベース車もあり、それが「ミラ X4R」です。装備は簡素化され、エンジン内部やターボチャージャーが「ミラ X4R」専用の部品として強化されおり、ラリーやダートトライアルに参戦するために販売されました。
当時は、ダイハツが「ミラ」、スズキが「アルトワークス」、スバルが「ヴィヴィオ」でラリーなどに参戦しており、三つ巴で激戦を繰り広げていました。そして各社ともスペシャルモデルを用意するという、いまでは考えられない時代でした。
●三菱「ブラボー MZ-G」
世の中に軽ハイトワゴンが登場する以前、軽自動車のワゴンといえばワンボックスタイプの商用バンをベースにしたものが主流でした。三菱「ブラボー」もバンの「ミニキャブ」をベースにしたワゴンです。
この「ブラボー MZ-G」は1991年に発売されました。注目すべき点はエンジンで、直列3気筒DOHC15バルブターボが搭載されていました。
3気筒15バルブということは1気筒5バルブです。これはF1のエンジンにも採用された手法で、たくさんの空気を吸い込み、パワーを上げることができました。
そもそも市販車で5バルブエンジンを持っていたのは、国産では三菱とトヨタ、ヤマハのみで、海外ではフェラーリとVW、アウディくらいです。
軽ワンボックスワゴンにこんな高性能エンジンを搭載していたのも驚きですが、当時の三菱では5バルブエンジンが高性能軽自動車用として定番で、「ミニカ」「パジェロミニ」のほか商用車の「タウンボックス」などにも搭載されていました。