久しぶりに乗るバイクは足つき最優先 「レブル250」は真っ先に目に止まった1台

ライダーである実感をエンジンの熱が教えてくれる!

 足つきが良いだけでなく、走らせても乗りやすさが際立っています。フロントフォークのキャスターがついているせいか、直進安定性に不安がありません。クルリとUターンするときには軌跡が乱れることもありましたが、慣れれば問題はないのでしょう。

足つきも良く、乗り易さも際立つ「レブル250」

 ただ、加速力は期待したほどではありませんでした。速さの基準はひとそれぞれですが、信号グランプリで後れを取らないためには、スロットルを奥まで捻らねばなりません。ハーフトロットルでズシズシと低回転から速度を乗せていく感を期待していただけに、その点では拍子抜けでした。レブルには500ccも設定されています。今後そっちにも乗ってみたいと思わせられましたね。

 ともあれ、いかにものライダー感覚が心地よかったのも事実です。試乗日はあいにくの寒空でした。パッチを履いているとはいえ、デニムでは体が冷えてしまいます。ですから信号待ちでエンジンを抱えて暖をとりました。すると例のV型2気筒かと間違えていた振動が、ライダーである実感を与えてくれましたし、内燃機関特有の熱が指先を温めてくれるのが心地よかったのです。

入門用、カスタム用可能性を感じるモデル

 レブルはロングセラーで、いまでも人気のモデルだそうです。それも納得です。数ある本格的なバイクが多い中、軽い気持ちで乗れることは大きなメリットです。しかも、そのスタイルが本格的な雰囲気を醸し出しています。入門用としても最適ですし、カスタムの素材としても期待が高まってきます。僕の選択肢のひとつに加わりました。

【了】

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Writer: 木下隆之

1960年5月5日生まれ。明治学院大学卒業後、出版社編集部勤務し独立。プロレーシングドライバーとして全日本選手権レースで優勝するなど国内外のトップカテゴリーで活躍。スーパー耐久レースでは5度のチャンピオン獲得。最多勝記録更新中。ニュルブルクリンク24時間レースでも優勝。自動車評論家としても活動。日本カーオブザイヤー選考委員。日本ボートオブザイヤー選考委員。

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