横浜ゴム低燃費タイヤ「BluEarth-GT AE51」 末尾にGTが付いた理由とは?
ミドルセダンを主なターゲットに開発されたグランドツーリングタイヤ「ブルーアースGT AE51」は、力強くしっかりとした走行性能を追求しながら、乗り心地と環境性能にも配慮された低燃費タイヤです。
低燃費性能を向上させたグランドツーリングタイヤとは?
横浜ゴムから、低燃費性能と走りの性能を備えたグランドツーリングタイヤ「ブルーアースGT AE51(以下ブルーアースGT)」が発表(11月27日)され、2019年2月1日から発売になります。
ブルーアースは横浜ゴムの低燃費タイヤブランドです。ブルーアースシリーズは、最高ランクの低燃費性能を狙ったものから、スタンダードなモデル、軽自動車用、低燃費性とドライビングプレジャーを両立させたモデルなどたくさんのバリエーションを用意。
新たに発売になった「ブルーアースGT」は、低燃費性とドライビングプレジャーの両立を図ったブルーアースA(エース)の後継モデルです。グランドツーリングを意味するGTという名前が付けられていることでもわかるように、低燃費性能(≒低転がり抵抗)ばかりでなく走りの性能も作り込まれていることから「GT」という名が付いています。
タイヤの顔ともいえるトレッドデザインは最近の高性能タイヤに多く採用されている4本の縦溝を主体にしたもので、見るからにウエット路面での排水性が良く、また直進性や操縦安定性が良さそうなトレッドデザインです。
さらに詳しく観察すると、横方向には短い切れ込みや細い溝が切ってありますが、これはブロック剛性をコントロールして乗り心地と操縦安定性を両立させる役割に加え、ウエット路面でグリップ性能を高める役割を持っているのだそうです。
使われているゴム=コンパウンドは「ダブルシリカとブレンドポリマー」と呼ばれる、ウエットに効くポリマー(ゴム)と低燃費に効くポリマー、それにウエット性能に効くシリカと低燃費性能の効くシリカを配合したコンパウンドです。ちなみに、シリカというのは、コンパウンドに混ぜる補強材で、ウエット性能や低転がり性能に効果があります。
シリカは、大量に混ぜるとダマになりやすい(小麦粉を溶いたときのように)ので、これを解決するため専用コンパウンドと最先端のゴム新混合技術「A.R.T.Mixing」を開発しています。その結果、シリカの分散がよくなりウエット路面での制動距離を短縮することができたのです。
ちょっと専門的になりますが、タイヤの構造面でも工夫が見られます。タイヤの骨格に相当するカーカスという部位は、一般的にはポリエステルやナイロンなどの布製で、しなやかなケースにする時は1枚、ケース剛性を高くするときは2枚重ねて使います。
「ブルーアースGT」は、ポリエステル1枚でケースを構成していますが、折り返しを深くすることでサイド部(サイドウオール)を2枚にしています。こうすることで、タイヤの縦方向の張りの強さ(ダンピング性能)を高くしながら、トレッド面のしなやかさを確保。これによって乗り心地と操縦性を両立させているわけです。