街で出会ったら超ラッキー! 激レアな軽オープンカー5選

いま軽自動車でオープンカーというとホンダ「S660」とダイハツ「コペン」のみです。少し前はホンダ「ビート」、スズキ「カプチーノ」がありました。その昔、ほかにも軽オープンカーがありましたが、そのなかでも珍しい5車種をピックアップして紹介します。

超珍しい軽オープンカー5選

 いま日本で一番売れているクルマは軽自動車です。かつて軽自動車といえば、普通車にくらべて装備や安全性は劣るものと思われていましたが、いまでは普通車となんら変わりません。

メーカーが本気で作った「フェロー バギィ」

 ボディタイプも選択肢が広がり、いま新車でハイトワゴンからオープンカーまで選ぶことができます。ただし、オープンカーはさすがに少数派で、ホンダ「S660」とダイハツ「コペン」の2車種のみです。では、かつて売られていた軽オープンカーはどんなモデルがあったのでしょうか。

 絶版軽オープンカーを5車種ピックアップして紹介します。なかでもとくに珍しいものを集めてみました。

●ダイハツ「リーザ スパイダー」

いまなら売れたかもと思わせる「リーザ スパイダー」

 ダイハツ「リーザ」は軽セダンの「ミラ」をベースにスタイリッシュな外観に変え、「プライベート感覚」や「ファッション感覚」など、「感性」を重視して開発されたモデルです。

 その「リーザ」の屋根をバッサリ切り取り、2シーターのソフトトップにしてしまったのが、この「リーザスパイダー」です。

 見た目にも「後付感」が否めないスタイルですが、自動車メーカーが本気で作ったということが重要です。いまでは絶対に考えられないでしょう。

 エンジンは64PSの3気筒ターボのみでしたが、これは、オープン化にともなってボディ強度と剛性確保のため、シャシ各部に補強部材を追加した結果、重量が増えたための措置です。

 ちなみに発売が1991年11月と真冬直前なのが疑問ですが、バブル絶頂期だったので、あまり関係なかったのかもしれません。販売面ではまったく振るわなかったので、レア度は相当高いモデルです。

●ダイハツ「フェロー バギィ」1970年

レジャー用途以外に使いみちなしの「フェロー バギィ」

 1970年といえば大阪万博が開催された年ですが、日本は高度成長期に突入していました。「遊び」も「レジャー」と名前を変え、若者は海へ山へと繰り出していたことでしょう。

 そんな時代に登場したのが、ダイハツ「フェロー バギィ」です。商用車の「フェロー ピックアップ」のシャシを利用して、FRP製のボディを架装。2名乗車のピックアップ、つまり商用車として登録されるモデルでした。

 見た目はいわゆる「サンドバギー」で、砂浜などを走るためのカタチになっています。ドアはなく、屋根も簡素な幌になっていました。

 エンジンは360ccの2サイクルで、出力は26PSしかありませんでした。しかし、440kgと超軽量なうえ、あまり馬力を気にするクルマではありません。

 1968年の東京モーターショーでコンセプトカーとして出典され、高評価を得たことで市販化されたのですが、生産台数はわずか100台と、いまでは激レアとなっています。

●スズキ「ジムニー55」1976年

軽の規格が変わった過渡期のモデル「ジムニー55」

 2018年に20年ぶりにフルモデルチェンジして大きな話題となったスズキ「ジムニー」ですが、初代から一貫して悪路走破性にこだわった、本格的な4輪駆動車として不動の地位を築いたモデルです。

 1970年に発売された初代「ジムニー」ですが、最初の大きな転換期になったのが、この「ジムニー55」が発売された1976年です。

 それまで軽自動車の排気量は360ccでしたが、法改正により550ccアップし、車体サイズも大きくなりました。そこで、「ジムニー」もエンジンを550ccに変更し、ボディは360cc時代のものを若干の手直しによって、法改正に対応しました。

 車名も「ジムニー55」として、1976年に発売。このモデルは一般的に「フル幌」と呼ばれるタイプで、屋根はもちろん、ドアも幌で作られています。

 すべての幌を取り去ると開放感は抜群で、さらにフロントウインドウを前に倒せば風を切って走る爽快感も得られたでしょう。ただし、その状態で公道を走るのは、メーカーは推奨していなかったようです。

●スバル「ヴィヴィオ T-TOP」1993年

バブル期に企画されたのだろうと想像できる「ヴィヴィオ T-TOP」

 いまでは軽自動車の生産から撤退してしまったスバルですが、「スバル360」は言わずもがな、数々の名軽自動車を作ってきました。

 この「ヴィヴィオ」も660ccながら直列4気筒エンジンを採用し、高性能モデルでは「スーパーチャージャー」を装着した4WDモデルがあり、ラリーなどのモータースポーツで活躍しました。

 さまざまなバリエーションが用意された「ヴィヴィオ」でしたが、なかでも異色だったのが、この「ヴィヴィオ T-TOP」です。

 ポルシェ「911」が元祖ですが、いわゆる「タルガトップ」と呼ばれる、運転席後ろにピラーが残るカタチの4人乗りオープンカーになっています。

 屋根と電動格納式リアウィンドウによって全部で5パターンのスタイルが楽しめると、斬新な企画のモデルでしたが、全体のデザインはかなり無理矢理感があります。

 限定車として販売されましたが、これもかなりのレア車で、街なかで見られたら相当ラッキーでしょう。

●ホンダ「バモスホンダ」1970年

一見軍用車かと思わせる作りが秀逸な「バモスホンダ」

 ホンダ「バモス」といえば1BOXタイプの軽乗用車ですが、残念ながら2018年5月をもって生産を終了してしまいました。この「バモス」という名前はリバイバルしたもので、その元となったのは「バモスホンダ」です。

 1970年に発売された「バモスホンダ」は「乗る人のアイデアによって、用途の範囲が無限に拡がるクルマ」として、非常にユニークなデザインとなっています。

 ベースとなったのは「TN360」という軽トラックで、エンジンは空冷2気筒の360ccを搭載。「バモスホンダ」も形式は軽トラックに分類されました。

 ラインナップは3タイプあり、2人乗り、4人乗り、4人乗りフル幌となっていました。カラーリングから軍用車をイメージさせ、悪路走破性を期待させる雰囲気がありますが、中身は普通の軽トラックだったので、「ジムニー」のような走りはできませんでした。

 幌を外していて、不意に雨が降っても大丈夫なように、シートはキャンバス製防水シートだったり、スピードメーターとコンビネーションメーターは丸型の防水タイプを採用。フロアの水洗いができるなど、かなり作り込まれた内容のクルマでした。

 しかし、販売面ではさすがに苦戦し、わずか3年で生産は中止され、現存数もわずかなレアモデルとなっています。

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※ ※ ※

 今回紹介した5車種は、ジムニー以外、販売台数も極わずかなモデルばかりです。「バモスホンダ」や「フェロー バギィ」は、実用性はなく本当にレジャー用くらいでしか使えないと思います。そもそも冬は相当辛かったでしょうから。

 メーカーは本気で作っていたのでしょうけど、遊び心があっておもしろいです。「ジムニー」ですら、幌タイプがなくなってずいぶん経ちますが、もう二度とこんなモデルは出てこないでしょう。

【了】

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