「ホッ」寒い日は恋しくなる… 日本が生んだホット缶コーヒーと高速道路の意外な関係
飲料メーカーの創業者が開通直後の名神高速道路で思いついたこと
開通から間もない名神高速道路の養老サービスエリア(1964年開業)でそのアイデアはひらめいたといいます。ポッカコーポレーション(現ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社)の創業者 谷田利景さんが名神高速道路を走行中、休憩のため養老SAに立ち寄った際、眠気覚ましにホットコーヒーを注文したところ、店は大変混んでいてコーヒーが出てくるまでにかなり時間がかかり、出てきた時にはすっかり冷めてしまっていたそう。
そこで、谷田さんが思いついたのは「コーヒーを缶に詰める」という発想でした。そして1972年に誕生したのが190g缶入りの本格コーヒー飲料です。翌1973年には自販機メーカー三共電器(現サンデン)と共同で苦労の末、連続して加温&販売が可能な缶コーヒーの製造に成功し、ホット/コールドの自販機が誕生しました。
缶コーヒーもホット自販機も爆発的な人気となり、その後は缶コーヒーを作る飲料メーカーが一気に増えたのです。
「ホット自販機が登場した当時は、『ホットorコールド』自動販売機でした。つまり、ホットのみ、もしくはコールドのみでの切り替えができる自動販売機だったのです。現在のように、ホットとコールドが一台の自販機で併売される『ホット&コールド』自動販売機は1977年頃から登場しています。ちなみに、ホット缶コーヒーが買える自販機1号機は養老サービスエリアに設置されました」(ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社経営戦略部コミュニケーショングループ[広報])
ドライバー専用、高速道路限定の缶コーヒーがスゴイ?
長距離を走る機会の多いドライバーには、「眠気覚ましの缶コーヒーが欠かせない!」という方も少なくないでしょう。筆者(加藤久美子)も毎年、1-2回は実家下関まで片道1000kmを運転して帰っています。
今のところドライバーは私一人なので、カフェイン摂取量に注意しながら眠気覚ましドリンクを利用していますが、同じポッカから高速道路限定で販売されているカフェイン3倍の缶コーヒーがあるのをご存知でしょうか?
さすが、世界初の缶コーヒーを開発した会社が作るだけあって、かなりチャレンジャーな缶コーヒーです。筆者も昨年高速道路のSAで購入して飲んでみましたが、カフェイン量240mgはさすがに強烈! 眠気も吹っ飛びました。
【了】
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。