「ホッ」寒い日は恋しくなる… 日本が生んだホット缶コーヒーと高速道路の意外な関係

今ではすっかりおなじみになった自販機のホットドリンク。実は缶入りホットドリンクは日本独特の飲料です。温かい缶入りドリンクはどのような背景で生まれたのでしょうか?

高速道路のSA/PAに並ぶ自動販売機。日本独特の風景

 寒くなって来ると恋しくなる温かい缶コーヒー。実は缶コーヒーも、温かい自販機飲料も日本で生まれたことをご存知でしょうか? そして、温かい缶コーヒーが生まれた背景には、当時開通したばかりの名神高速道路のSA/PAが関わっていました。

世界初の缶入りコーヒーは1972年に誕生「純珈琲」と書かれています

 高速道路のSA/PAには、さまざまな種類の自動販売機が置かれています。それらの中で代表的な存在といえばドリンク類。とくに缶コーヒーは種類も群を抜いて多く、自販機が20台以上並ぶ首都高の大黒PAでは30種類以上の缶コーヒーが販売されています。

 これは日本独特の風景で、ハリウッド映画の「ワイルドスピード(TOKYO DRIFT)」をはじめ、日本が舞台の映画ではロケ地に使われることも多く、また外国人観光客からも人気の観光スポットになっているようです。

 そもそも諸外国は自動販売機自体が少ないですし、飲料の種類も少なく、日本とは比べ物になりません。自動車大国アメリカのフリーウェイにも何か所かレストエリアがありますが、ここは基本的にトイレと2-3台の自販機が設置してあるだけの簡素な施設です。

温かい缶ドリンク自販機があるのは日本だけ?

 今ではすっかりおなじみになった自販機のホットドリンク。これらの缶入りホットドリンクも日本独特の飲料です。社団法人日本自動販売システム工業会の調べ(2016年)によると、日本にある清涼飲料水の自動販売機は約244万台で、その7-8割がHOT飲料に対応しています。

今では数々のホットドリンクが並ぶ、日本の自動販売機(画像はイメージ)

 対してアメリカは同じく清涼飲料水の自販機は約296万台で日本を上回りますが、そのほとんどはコカ・コーラ、スプライトなどのソーダ類かミネラルウォーターで、温かい飲料(主にコーヒーで、紙または発泡スチロールのカップに入って出てくる)が買える自販機はわずか24万6000台のみ。温かい缶コーヒーが買える自販機の台数はデータに上がっていない状況です。

 では、日本独特の飲料文化ともいえる、温かい缶入りドリンクはどのような背景で生まれたのでしょうか? その始まりは、缶コーヒーからでした。

世界初の自動販売機や缶コーヒーを画像でチェック(6枚)

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