パンクしてもタイヤ交換不要に? スペアタイヤは絶滅の危機
走行中にタイヤがパンクしてしまった場合、かつてはスペアタイヤに交換するのが一般的でした。しかし、いまは「応急修理キット」のおかげでタイヤ交換が不要になっているようです。では「応急修理キット」のメリットとデメリットはどんなことが挙げられるのでしょうか。
パンクしてもスペアタイヤに交換できない人が多い
もし、走行中にタイヤがパンクしてしまった場合、乗り心地やハンドル操作に異常をきたすだけでなく、そのまま走行し続けることは二次被害の原因となる大変危険な行為です。また、タイヤだけでなく、ホイールにもダメージが及んでしまい買い替えが必要になることも。
そういった際、クルマに積んである、いわゆる「スペアタイヤ」に履き替える必要がありますが、近年では、スペアタイヤを積んだクルマが減ってきており、新車の乗用車に至ってはスペアタイヤを装備している車両はほとんどありません。
JAFが行った「タイヤのパンクに関するアンケート調査」よると、約4万人中4割のユーザーのクルマには「応急修理キット」が搭載されていると回答しています。
さらに「クルマのタイヤを交換する」ということもあまり聞かなくなってきました。同調査によると、タイヤのパンク経験がないユーザーへの「パンクしたらどうするか?」という質問に対し、30代から29歳以下の6割以上が「他者(社)に依頼する」と回答しています。
一方で50代以上の約半数は「自分で対応する」ということから、若年層ではタイヤ交換ができない、またはしない人が増えてきていることが分かります。
スペアタイヤとはその名のとおり予備のタイヤです。車両が履いているタイヤと同じ標準サイズが搭載されている場合と、幅が細めで軽量化された「テンポラリータイヤ(テンパータイヤ)」などの「応急タイヤ」があります。
スペアタイヤは基本、トランクの床下などに置いてあるほか、スズキ「ジムニー」などのオフロードタイプのクルマではリアゲートに装着され、外観のアクセントになっていることもあります。
スペアタイヤが「標準タイヤ」であれば、パンクしたタイヤから履き替え、空気圧をチェックすればほぼ普段どおり走行することが可能ですが、「応急タイヤ」の場合は、最高速度と走行可能距離が低く設定されているほか、非駆動輪に装着が指定されていることもあり、タイヤ修理拠点まで回送するための「間に合わせ(temporary)」の役目しかなく、そのまま走行し続けることはできません。
しかし、どちらにしてもタイヤ交換をしたことがない人にとって、突然のパンクからのタイヤ交換は至難の業です。