粗悪チェーンは排除! 制動性、耐久性などを保証するタイヤチェーンの認定制度とは

雪道走行への大切な備えであるタイヤチェーンには、材質や形状でさまざまな種類があります。また、各メーカーが多くの商品を展開しており、何を基準に選べば良いか迷う人も多いかもしれません。そこで、チェーンの認定制度があります。

「タイヤ滑り止め装置」の認定制度とは

「大雪時のタイヤチェーン義務化」というニュースが流れ、話題になっているタイヤチェーン(以下:チェーン)。雪道走行への大切な備えであるチェーンには、材質や形状でさまざまな種類があります。また、各メーカーが多くの商品を展開しており、何を基準に選べば良いか迷う人も多いかもしれません。

いざという時のためにチェーン装着の練習をしておきましょう

 そんなチェーン選びのひとつの基準となる認定制度を行っている団体があります。チェーンの認定を行なう一般財団法人日本自動車交通安全用品協会にお話を聞きました。

──チェーンの認定制度は具体的にどのようなものか教えてください。

 チェーンには、金属製、非金属製などいくつか種類がありますが、私どもは非金属製品とケーブル式製品を対象に認定を行っています。認定はあくまで任意のもので、各メーカーから申請あったものを1年に1度、北海道の標津町にある試験場で試験を行い、基準に適合していれば認定を行います。

 認定を受けた場合、私どもが発行している認定シールを購入してもらい、梱包などに貼ります。そうすることで、一定の性能を保証された製品として小売店にも製品を卸しやすくなるといったメリットがあります。

──具体的にはどんな試験を行なっているのか教えてください。

 乗用車向けの製品の場合、「制動性」「登坂性」「耐久性」「緩衝性」「耐空転性」の5つの項目で試験を行います。例えば耐久性試験では、「600km (そのうち、目安として70%は圧雪路)の距離を走行したとき、装置に著しい磨耗がなく、破損、スパイク金具の脱落など各部に異状がないこと」を合格基準としています。
 
 製品の認定期間は10年間で、その後も更新の試験に合格すればさらに10年認定を受けることができます。

認定制度の成立には歴史的な背景も

 認定制度が始まった背景は、日本自動車交通安全用品協会によると、1974年ごろ海外から粗悪なタイヤチェーンが日本に輸入され始めたこと、1990年代にスパイクタイヤが廃止され、チェーンの需要が高まったことなどがあり、警察庁と国土交通省主導の下、委員会が立ち上げられ、試験制度の必要性が議論されたといいます。

 2018年11月現在、非金属製品は7社で21品目、ケーブル式製品については2社5品目が認定されています。これからの時期、タイヤチェーンの購入を検討している人は、選ぶ際のひとつの基準として参考にしてみてください。

【了】

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