MaasやIoT化でモビリティハブを実現? 駐車場ニーズに応える課題とは
クルマを使うなかで必ず利用する駐車場。停める場所から交通社会の拠点へと発展させる動きが進められています。では、駐車場にはどのような種類があり、どのようなニーズ・課題が存在するのでしょうか。
駐車場が抱えるさまざまな課題点とは
交通量の多い都市部や観光地では、駐車場に関するさまざま問題が発生しています。では、駐車場にはどのような種類があり、利用するユーザー側と駐車場を運営する事業者にはどのようなニーズが存在するのでしょうか。
駐車場施設は、「自走式」と「機械式」が存在。種類としては、地上平面型、地上立体型、地下式、機械タワー式、昇降式などに分かれます。
商業施設や公共機関、病院などでは「自走式」、オフィスやホテル、集合住宅には「機械式」を用いることが多いです。
さまざまタイプの駐車場が存在するなかで、利用するユーザーには多様なニーズが存在。「観光地での駐車場探し」「駐車した位置がわからない」「目的地から近い位置に停めたい」「EV車の充電設備有無を知りたい」などの問題を抱えています。
一方で、駐車場を運営する事業者には、「空きスペースの有効活用」「管理コストの軽減」「駐車渋滞の解消」「場内での事故軽減」などの効率的な運用方法や管理リスクに関する課題があります。
このようなニーズを解消する方法として、スマートフォンを使った駐車場予約システムや駐車場空き状況・充電システム有無の情報化、場内での案内標識などの取り組みにより利便性や快適性を向上。さらに、ETC2.0を活用した入庫・出庫の効率化や駐車位置案内、キャッシュレス化などを行うシステムの普及にも注力しています。
経済産業省や国土交通省では、「自動バレーパーキング(限定エリアでの低速自動駐車システム)」の実証実験を主導するなど、駐車場を単なるクルマを停めるスペースとしてだけではなく、将来的にはモビリティ社会(Maas)の拠点とする動きを国と関連企業主体に進めています。
駐車場の将来性について、日本パーキングサービスの森井博氏は、「駐車場業界でもIT化やIoT化には関心が高いです。中国やオーストラリアなどでは、日本よりも進んだ管理・決済システムが発展しています。さまざまな駐車場の課題を解決する方向にむかっていますが、ようやく自動バレーパーキングが現実化できる時代になったことで我々も期待しています。これからさらに駐車場の自動化によって、使いやすいシステムとなり、社会の拠点となることを願っています」といいます。
スマートな交通社会の発展は、各方面のビジネス性を高めるだけでなく、過疎化地域や高齢化社会などの色々な課題を解決するチャンスを秘めているのかもしれません。
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