いまや絶滅危惧種「水平対向エンジン」 スバルとポルシェが続ける理由とは

「水平対向エンジン」と聞くとクルマ好きは、「スバル」と「ポルシェ」の名前が浮かびます。なぜなら世界の自動車メーカーでこの2社だけが開発を続け市販車に投入しているからです。水平対向エンジンにこだわる理由とは、何があるのでしょうか。

世界で2社だけが採用続ける「水平対向型エンジン」とは

 自動車メーカーは、さまざまエンジンを開発し、ボディタイプやユーザーニーズに合わせたラインナップを展開。エンジンの種類には、大きくシリンダー位置によって「直列型」「V型」「水平対向型」の3タイプに分けることができます。

 現在、世界のほとんどの自動車メーカーは、シリンダーを一列に配置した「直列型エンジン」や左右交互のV型に配置した「V型」を主流として採用しています。一方、シリンダーを左右交互に配置する「水平対向型」を採用しているのは、OEM車などを除くとスバルとポルシェの2社です。

「水平対向型エンジン」を続けるスバル・ポルシェの走り好きメーカー

 なぜ、「水平対向型エンジン」を採用するメーカーが少ないかと言うと、エンジンの構造に関係してきます。「直列型エンジン」や「V型エンジン」に比べ、部品点数の多さや排気通路が複雑化するなど生産性が落ちるほか、燃費の悪さも問題となります。

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 また、水平型のため横幅が広くなるので、コンパクトカーなど車格が小さなクルマでは、エンジンルームに搭載することが困難なほか、メンテナンスなどの整備性も悪いです。

 しかし、「水平対向型エンジン」には、クルマを走らせる上でのメリットも多く存在。具体的には、「低振動・低重心・軽量・高剛性・回転バランスの良さ」などが挙げられ、速さを競うモータスポーツなどの場面においては、低重心なクルマほど安定性が高くなり、コーナリング時などで有利に戦えます。

 メリットもデメリットもある「水平対向型エンジン」ですが、スバルとポルシェの2社だけが採用しているのはなぜなのでしょうか。

 スバルは、1966年に発売した「スバル1000」に「水平対向型エンジン」を搭載したことがきっかけで、現在まで開発・改良を重ねて行くことになります。

 現在は、軽自動車などのOEMを除く全車に採用され、1989年の初代レガシィから搭載されている「EJ型」、環境性能と走りを両立する新世代の「FB型」、さらなる低重心化を目指した「FA型」といういくつかの種類をラインナップ。

「WRX STI RA-R」の水平対向型エンジン

 スバル全車に搭載する理由に、今でこそ大手自動車メーカーにならぶ知名度がありますが、以前までは小規模メーカーと言われていました。そのため、他メーカーとの違いを表現する方法の一つとして、独自性がある「水平対向型エンジン」を採用することで、ユーザー獲得や固定ファン層を維持。それ故、自社開発のエンジンをひとつに絞ることで生産性も確保しています。

 スバルは、「水平対向エンジンを『SUBARU BOXER』と称し、振動の少ないスムーズなエンジンフィーリングやアクセルワークに忠実なレスポンスも実現する、あらゆるシーンで気持ち良くスポーティなドライビングを愉しめる理想のパワーユニット」と説明しています。

スバルやポルシェで活躍する水平対向型エンジンを画像で見る

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