ドラレコ1年で120万台増 『事故時録れてない…』あおり運転対策で急速な普及も録画トラブルも増加
運転中の映像を記録できる「ドライブレコーダー」は、近年問題となっている“あおり運転“などに巻き込まれた場合に、有益な情報を残すことが出来る車載機として普及率が各段に高まっています。
調査対象の約半数近くが「映像を確認したことがない」と回答
一般社団法人「ドライブレコーダー協議会」の調べによると、ドライブレコーダー(通称:ドラレコ)の出荷台数は、2016年度では約140万台であったのに対し、2017年度では約260万台と大幅に増加しています。
その一方で、国民生活に関する情報の提供及び調査研究などを行う「国民生活センター」には、ドライブレコーダーの普及に伴い同機械に対する相談が増えているといいます。2013年以降ドライブレコーダーに関する問い合わせが444件、うち88件が「映像が残っていなかった」など記録に関するものとなっているようです。
近年販売されているドライブレコーダーの多くは、フロントガラス付近に取り付けるものが大半で、エンジン始動からエンジン停止までを自動でSDカードに記録。SDカードの容量がいっぱいになると古いファイルから順次、上書きされていくタイプが主流となっています。
「国民生活センター」がドライブレコーダー使用中の18歳以上の男女2000人を対象に行った調査結果によると、1741人(87%)のユーザーが「事故やトラブルが起きたときの記録用」と回答。近年増加している“あおり運転”などのトラブルに対して、有益な情報を残すことが出来る装置の採用に積極的であることが分かります。
また、事故やトラブル時以外に「映像を確認したことがない」と答えたユーザーは全体の半数近い881人(44%)にのぼっており、実例として「当て逃げ事故に遭い、警察からドライブレコーダーの映像提供を求められたが、5カ月前から作動しておらず事故当時の映像が録画されていなかった」などという相談もあるようです。
SDカードが起因となった「ドライブレコーダー」のトラブルが増加傾向に
近年のドライブレコーダーでは「SDカード」などの記録媒体を使い、運転中の映像を常時録画するため、SDカードへ情報を書き込む回数は特別多くなります。そのため、SDカードの定期的な初期化(メンテナンス)や交換が必要になります。
今回の調査では、使用中のドライブレコーダーにSDカードが使われていることを認識しているユーザー1880人に対して定期的なそのことを知っているか聞いたところ、SDカードの初期化については1127人(60%)、交換については1334人(71%)が知らないと回答しました。
同時にメンテナンスの実施についても調査したところ、SDカードの初期化をしていない人は1169人(62%)、交換したことがない人は1467人(78%)とかなりの割合を占めています。
「ドライブレコーダーを取り付けたが、SDカードの不良で録画されていなかった」や、「SDカードをパソコンで再生すると、全く録画されていなかった」などというユーザーからの事例もあるだけに、既にドライブレコーダーを装着している人は、適切な機能を得るためにも定期的なメンテナンスを行う必要があるでしょう。
【了】